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日本にノーベル医学・生理学賞が来にくい事情(上)

原資調達や「ビジネスモデル」まで知恵を出す受賞者たち

2008年10月28日(火)

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  いよいよもって底なしの金融不安、地銀や実体経済への波及が心配されます。

 日経平均は27日、バブル後の安値を更新、一挙に500円近くの急落で、1982年10月以来の水準に沈みました。

 為替に目を向ければ急速な円高の進行。海外はと見れば、豪州中央銀行が豪ドルを連続買い支え、IMFのウクライナ向け165億ドル緊急融資などなど。

 元来、恐慌研究に詳しいわけではないので、私も関連の文献を取り寄せて目を通しています。見てみると、多くの資料に大家サミュエルソンやフリードマンも認める恐慌論、デフレ史の俊英で「戦後生まれ最高の秀才」とされるプリンストン大学教授の仕事や発言が非常に目につきます…。

 とここまで書けば、ご存じの方はご存じの通り、このデフレ史の大家はベンジャミン・シャローム・バーナンキ元プリンストン大学経済学部長、いわずと知れた現在のFRB(米連邦準備制度理事会)バーナンキ議長その人にほかなりません。

 長年にわたって政府関連の役職に一切就かなかったバーナンキ博士がFRB理事に招かれたのはジョージ・ブッシュ政権下の2002年のこと、2005年に大統領経済諮問委員会委員長となり、2006年2月からアラン・グリーンスパン氏の後任としてFRB議長となったのは、予想される世界的な金融恐慌を、賢明なマネーサプライコントロールによるインフレターゲティング政策で乗り切るための準備として、仕込まれたものと言ってよいでしょう。

 さて、バーナンキ博士はプリンストン大学教授として、多くの後進を育てたことでも知られています。逆に言えば彼は非常に多くの優秀なエコノミストを門下生として持っているということです。プリンストンの経済学部では、同僚の親友でやはりインフレターゲティングの専門家と二人三脚で研究教育を推進、参謀となる若い世代の育成に尽力しました。

 そのバーナンキ博士の無二の親友、兼相棒がポール・クルーグマン・プリンストン大学教授にほかなりません。2008年度のノーベル経済学賞がクルーグマン博士に授与されたことは、バーナンキ=クルーグマンというプリンストン・インフレターゲット学派の両輪、つまり1929年の大恐慌研究でも最も顕著な成果を上げたブレイン集団による、国際金融破綻回避への壮大なチャレンジでもある、と言ってもよいでしょう。いまや歴史の牽引役は、シカゴ学派からプリンストンに完全に移ったのかもしれません。

 「ノーベル賞経済学者」としてのクルーグマン博士の米国という枠を超えた活動が、明らかに期待されているわけです。

 それにつけても思い出されるのが、リーマン・ブラザ-ズ破綻直後の麻生太郎氏の「いくらなんでも何もしないなんて…」というコメントです。バーナンキ博士は大きな学派と強力なスタッフを持ち、優秀なエコノミストたちが様々なアプローチで試算を重ね、取捨選択の結論を出していると考えるのが普通でしょう。どこかの国では「何かする、何もしない」というようなザル勘定をしているのでしょうか? 麻生氏も当時と違い、今は宰相の地位にあります。もう少し慎重な発言を勧めたいものです。

 ちなみにグリーンスパン氏がジュリアード音楽院出身のクラリネット奏者で、バーナンキ教授がサキソフォン奏者であることは、コンドリーサ・ライス氏がピアニストである事実ほどには知られていないようです。楽隊出身の経済人は意外に少なくありません。

意外だった「化学賞」受賞

 さて、一連のノーベル賞の話題ですが、今回から物理学賞以外の分野にも目を向けてみたいと思います。物理に関しては、坂田昌一研究室出身の先生をはじめ、当事者として実験や開発に関わられた方々から、様々なご指摘やご意見を頂戴しました。感激しております。また不正確な表記などのご教示に深く感謝申し上げます。

 このコラムは、日頃サイエンスの内容に接しにくいビジネスの前線で活躍される皆さんに興味を持っていただけるように準備していますが、科学的な内容は、平易な日本語で記すとはいえ、正確さは大変重要だと認識しております。また今回から医学・生理学や化学など、より専門外の話題にも触れることになり、友人知己のスペシャリストにも知恵を借りるようにしておりますが、瑕疵がありましたら、どうか引き続きご指摘いただければ幸いです。

 さて、皆さんは、「緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見と開発」で2008年度ノーベル化学賞を受けた下村脩ボストン大学名誉教授が「化学賞は意外」とコメントしているのをご存じでしょうか?

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ビル・エモット 英エコノミスト誌元編集長