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オバマ当選!アメリカ合衆国の遺伝子組み換え

前代未聞の革命状況と暗殺の懸念

2008年11月7日(金)

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 報道によると11月5日、米国の共和党ジョージ・W・ブッシュ政権のコンドリーザ・ライス国務長官は、報道官の定例記者会見に緊急出席して異例のコメントをしたそうです。

 ライス氏はバラク・オバマ上院議員のアメリカ合衆国大統領選挙での圧勝に「アフロ・アメリカン(アフリカ系米国人)として特に誇りに感じる」と心からの感動を吐露しました。

 何気なく見れば、ああそうか、と読み流してしまいそうなエピソードですが、実はここに現在アメリカ合衆国が迎えつつある革命的状況が集約されている、と私は思います。

 ライス長官はこの日から中東歴訪を開始する予定だったそうですが「前夜の驚くべき選挙について一言述べずにはいられなかった」と出発直前に姿を見せ「オバマ氏圧勝に誇りに感じる」「米国は人種問題を日常に定着させぬよう、取り組みを続けてきた」「米国は、昨日の選挙で人種問題に関して明らかに目覚ましい前進を遂げた」と強調しました。

 バラク・フセイン・オバマ博士が2008年の米大統領選挙に圧勝したことには、全く大げさでなく「ワシントン、リンカーン以来」の歴史的意味があります。またその意味を考える時、今私が最も懸念するのは、彼が米国大統領に就任する前に、あるいは就任後に暗殺されてしまうことです。

オバマを殺させないために

 ペルシャで生まれ激動の20世紀を生きてきた英国の女性作家ドリス・レッシング氏は、米大統領選で盛り上がるオバマ候補人気を見て、もしオバマ氏が大統領に就任したら、人種問題が原因となって暗殺される可能性が高い、といち早く指摘しました。

 この指摘をした2007年、彼女は87歳でノーベル文学賞を受けました。レッシング氏の警句は87歳の賢慮の末の言葉で、誇張もこけおどしも一切ありません。

 レッシング氏は暗殺の回避も含め「ヒラリー大統領候補・オバマ副大統領候補」での民主党の選挙戦を提案しました。しかし現実はそのようになりませんでした。

 選挙戦は米国の歴史をはっきりと書き換える、歴史的なものになりました。しかしここで考えるべきは、「大勝」とお祭りのように騒ぎ立てるのではなく、現実にリンカーンやケネディなどが辿った道のりを踏まえ、明確な安全対策を取ることだと思います。

 前回の空幕長の記事で私が申したかったのも「危機管理」と、そのための「指示系統」の問題が中心で、私自身、徹頭徹尾「アポリティカル」政治性を排除した物言いだけに終始しているわけですが、ここでも、オバマ現象のあれこれ以前に、彼を殺させない、ということをまず第一に考える必要があると思っています。

 いきなり物騒な話をするようですが、今回は極めてオーソドックスな米国史を辿って、いかにオバマ大統領(予定者)が暗殺と隣り合わせの地点に立っているかを、過不足なく確認したいと思います。

ただ事ではない危機管理

 日本の報道では「オバマ政権初期では軍事縮小と福祉増進が図られるだろうが、2期目が射程に入ると…」あるいは「予想されるオバマの日本イジメ」といったモノも見かけましたが、そもそも就任宣誓式まで彼の身の安全を確保するのがどれだけ大変か、想像に絶するものがあります。「民主党が2期目を…」という時、それが「オバマ大統領」の2期目であるのと「ジョー・バイデン大統領」とでは、意味が全く違います。さらに「ヒラリー大統領」では、日本の観点から見ても、すさまじい違いが出ることが容易に想像されます。

 改めて最初のライス国務長官のコメントを考えてみましょう。

 これは米国現政権の国務長官の、自党が反対党に選挙で大差で破れた直後のコメントです。

 そこで、喜びの感動に震えて、思わず記者会見に出て来ずにはいられなかった(と、実際に重要なコメントをした)というのは、小沢民主圧勝で負けた自民党の幹事長が感動の涙を流す、なんてこと(はないでしょうが)より、遥かに歴史的意義の大きいことと思います。(実際日本の民主党の旧田中派~経世会の人の去就で、自民党の誰かが惻隠の情に駆られると、いったことはあり得ない話ではないかもしれません)

コメント16件コメント/レビュー

毎回鋭い記事をありがとうございます。私が当局(って誰?)だったら。少なくとも当面は組織立った企てはしない。新政権が成功するかどうかのめどがない時点での暗殺は、むしろ庶民の現時点での心情を助長するであろう。新政権がうまく機能しないことが判明すれば、それはそれでよし。これが一番効果的。今までの米国が正しかった事の確認可能。ただし、新政権が米国の方向性を変えるのに成功しそうとの判断にいたれば即刻暗殺。ロケット弾もあり。米国が変わる事がいかに大変な事かを知らせる必要あり。(2008/11/10)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

毎回鋭い記事をありがとうございます。私が当局(って誰?)だったら。少なくとも当面は組織立った企てはしない。新政権が成功するかどうかのめどがない時点での暗殺は、むしろ庶民の現時点での心情を助長するであろう。新政権がうまく機能しないことが判明すれば、それはそれでよし。これが一番効果的。今までの米国が正しかった事の確認可能。ただし、新政権が米国の方向性を変えるのに成功しそうとの判断にいたれば即刻暗殺。ロケット弾もあり。米国が変わる事がいかに大変な事かを知らせる必要あり。(2008/11/10)

9月初め、所用で米国に行った。その時感じたことは、「黒人が、今までになく自信に満ちた表情をしている。それに対して、白人に覇気が感じられない。」でした。全体からすれば、取るに足りない経験ですが、米国の底流は、明らかに変化していたのです。こうした動きは、アメリカ社会の強さということも言えると思いますが、この21世紀初頭に起こった覇権国の出来事は、人類がこれまで作ってきた世界の崩壊の一現象ということも言えると思います。社会が崩壊する過程で、権力が被圧迫者に移行してゆくのは、当然なのではないでしょうか。しかし、悲劇的なことは、どんな人であっても、現在起こっている問題に対して有効な答えを持っていないことです。滅び行く流れは、誰にも止められないのではないでしょうか。(2008/11/09)

また内容とは直接関係ないのですが、4ページ本文に出てくる「遺伝子組み換え」という言葉はいかがなものかと思います。それほどの大きな変革ということを言いたいための表現だと思いますが、遺伝子組み換えというのは、自然ではほぼ起こりえない生命の仕組みの強制変更です。アメリカで起こった変化はそういった横槍による強制変更ではなく、人民が望んだ結果起こった自然の流れによる民主主義的な変革だと思います。本文の言葉で言えば「新しい血」が生まれたことだと思います。その辺りのニュアンスはどうでもいいことかもしれませんが、自分が植物の仕事をしているせいか、とても気になってしまいました。しつこいようですが、このアメリカの変革は「遺伝子組み換え」の変革ではなく、自然が必要として様々な要素を取り込みながら辿り着いた「超ハイブリッド」であると言いたいです。(2008/11/08)

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