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もはや職場任せのOJTでは成果は出ない

旭硝子が現場力を伝承する方法とは(1)

2008年11月20日(木)

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 原料高、円高、需要減で「減益」が相次いだ企業の中間決算。世界的に高いシェアを誇るグローバル企業でありながら、中間決算、第3四半期決算と増益を続けているのが旭硝子だ。2008年1~9月期(第1~3四半期)の連結決算では、売上高は前年同期比6.1%減の1兆1590億1500万円と減収だったが、営業利益が同6.5%増の1513億9700万円と、この厳しい条件下で善戦している。

 しかし団塊世代の大量退職などで、業績を支えてきた現場力の低下に危機感を覚えている。現場力低下を回避する対策の柱が、「AGCモノづくり研修センター」の創設。グループ全体でノウハウを蓄積すること、技術・技能伝承が、社の生き残りに不可欠と考えた故の決断だった。

 「モノづくりへのこだわりと現場力の強化」=「技術・技能の強化、伝承」という同社の経営方針をどのように実行しているか、加藤勝久・最高技術責任者(CTO)に聞いた。

(聞き手は日経ビジネス オンライン編集長 廣松 隆志)

―― サブプライムローン問題以降、住宅、建設、自動車分野の需要が減り、石油の価格が高騰した中で、増益が続いています。製造面での高い現場力が、増益の裏側にあるのではないかと思っています。

加藤 勝久(かとう・かつひさ)氏

加藤 勝久(かとう・かつひさ)氏
1949年3月10日東京都生まれ。横浜国立大学大学院修士課程化学工学専攻修了後、旭硝子に入社。2003年に執行役員化学品カンパニー事業統括本部長。2005年に執行役員技術本部中央研究所長、2006年に上級執行役員中央研究所長、2008年3月から取締役兼常務執行役員CTO(写真:小久保 松直)

 これから各分野の冷え込みの影響がいろいろと出てくると思います。「抜群なモノづくり力が、旭硝子にはベースとしてあります」ということを、外に向かって言える段階には至っていません。モノづくり力は、まだまだ変えていかないといけないし、まだまだ強くしていかなきゃいけない部分が、現実にかなりあると考えています。

 ちょうど今、現場を支えてきた団塊の世代が定年を迎えるところに来ています。その世代が持つ技術・技能を次にどうつなげていくかが、非常に重要な取り組みの1つになっています。AGC(旭硝子)グループは2004年に、競争力の源泉となる「モノづくりへのこだわりと現場力の強化」=「技術・技能の強化、伝承」を経営方針の主要課題に取り上げ、その効果が少しずつ出始めてきました。

―― 団塊の世代が大量退職して技能の伝承に支障が出る「2007年問題」ですね。

 当社は2007年よりも、もう少し後で退職を迎える方が多いのです。その2007年から2010年にかけての対策ということもあり、2005年4月に「モノづくり技術強化室」を設け、2006年7月には実際の教育をする「AGCモノづくり研修センター」を、鶴見の京浜工場内に設置しました。その中にいろいろな技術・技能を習得するための設備を作ったのです。

 センター内には、研修棟と実習棟があり、実習棟では、実際の工場とほぼ同じ設備や装置を使いながら、普段工場ではなかなか学べないことを体験学習できるよう工夫しています。

 大事なのは、教育を実践と結び付けること。実践に結び付いていかないと、結局、「勉強したな」という思いだけで、その場限りで終わってしまう。現場に戻り、学んだことが本当にすぐに役に立つ、学んだことを実践しその効果が出てくるということにしていかないと、教育の意味が薄れてしまいます。

 このため、研修カリキュラムは、すぐに忘れられてしまわないよう、現場に戻ってすぐに実際の仕事の中で使える内容をベースにしています。まだ効果が出始めたレベルなので、これからやり方を含めて、よく考えていかなきゃいけないと思っています。

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「もはや職場任せのOJTでは成果は出ない」の著者

大村 洋司

大村 洋司(おおむら・ようじ)

海外事業戦略室プロデューサー

1989年日経BP入社。95年「ナショナルジオグラフィック日本版」編集、2004年同誌副編集長。07年「日経ビジネスオンライン」副編集長。10年「日経ビジネスアソシエ」副編集長。12年1月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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