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経営者が「失われた10年」を繰り返してはならない――花王・尾崎元規社長

節約志向に惑わされるな

  • 田中 成省

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2008年11月26日(水)

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 景気低迷で生活防衛の度合いを高める消費者と原材料高の挟み撃ちに遭い、減収減益の発表が相次いだ2008年4~9月期の企業決算。そんな中にあって花王が健闘している。売上高は6579億円と前年同期比0.5%増の増収を達成。営業利益こそ同1.5%減だったが、純利益は10.5%増と2ケタの増益を果たした。

 営業利益も、通期となる2009年3月期では0.6%増の期初予想を修正していない。日用品業界のマーケティングに精通している尾崎元規社長に、「モノが売れない」と言われる時代に取るべきマーケティング手法と企業経営について聞いた。

(聞き手は日経ビジネス オンライン編集長 廣松 隆志)

写真・尾崎 元規(おざき・もとき)

尾崎 元規(おざき・もとき)氏
1949年6月長崎県生まれ。慶応義塾大学工学部を卒業後、72年花王石鹸(現花王)入社。2000年化粧品事業本部長、2002年ハウスホールド事業本部長。同年取締役、執行役員。2004年6月に8人抜きで社長に就任。
写真:清水 盟貴(以下同)

――新聞に「減収」「減益」という中間決算の見出しばかりが躍る中、花王は増収を果たし、当期利益も増益でした。この半年間をどのように総括していますか。

 売り上げは比較的堅調に推移しました。見掛け上は0.4%の伸びですが、為替の影響を除いた実質ベースでは2.4%ぐらい伸びています。中身を見ても、日本の市場は比較的堅調でマーケットシェアも上がっていますし、アジアも消費者向け商品が現地通貨ベースで2ケタ増となるなど、非常に好調です。ただ、地域で言えば欧米、事業は化粧品がやはり景気の影響を受けていますね。

 利益面では何と言っても原材料高の影響が大きかった。当初は上期(2008年4~9月)だけで150億円のコスト増を見込んでいましたが、実際には210億円ぐらいあった。そんな中でも前年並みの営業利益を上げられたのは、売上高の伸長とコスト低減運動、そしてマーケティングの効率化が図られたためです。

消費者の「情報の取り方」が変化

――最後におっしゃったマーケティングの効率化とは、具体的にどのような取り組みをしたのでしょうか。

 最近はメディアに対する消費者の接触態度が変わってきています。かつてのようにマス媒体、特にテレビや新聞だけから商品情報を取るわけではなくなった。深い情報を雑誌で取ったり、多面的な情報をネットで取ったりというように。

 広告の目的は、一番知ってほしいお客様に、一番知ってほしい情報を効率よく届けることです。ですから、そこら辺の変化を捉えて、専門誌やインターネットでのいろいろな情報提供も使った広告のメディアミックスを行い、宣伝費の総額を抑えながら広告の伝達性を高めています。例えばテレビで商品を出したら、その商品の特性を雑誌で伝え、電車広告で、「あ、あれだ!」と想起してもらう。そして店頭で「これなんだ」と手に取ってもらう。マーケティング業界でIBC(Integrated Brand Communication)と呼ばれる手法ですね。

――特に効果が上がったのは、具体的にはどの商品でしょうか。

 ヘアケアの「アジエンス」や「セグレタ」、新しい生理用品の「ロリエ エフ」などです。付加価値の高い商品ほどIBCによるコミュニケーションの効果が出ています。あとは飲料の「ヘルシア」、食品の「エコナ」でしょうか。今年から国がメタボリックシンドローム対策で特定健診・特定保健指導を義務化した。その流れに沿った形でマス広告から店頭までIBCの手法でコミュニケーションをしました。

――今、「店頭まで」とおっしゃいました。花王グループには店頭での販売活動を支援する専門会社があります。メディアを使った宣伝と店頭との連携も意識しているのですか。

 はい。例えばチェーンの小売業の場合、最近はどんな商品をどの店で、どのように売り場展開するかといった商談は本部で一括して行います。そうすると次は、商談で決まった通りの売り場を、どれだけスピーディーかつ正確に店頭で実現できるかが重要になってくる。せっかく宣伝をしても、その時点で店頭に並んでいるべき商品が店頭にないと販売ロスが発生しますので。

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