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ビッグスリーに必要な「創造的破壊」

米GMは既に破綻している

  • J・W・チャイ

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2008年11月27日(木)

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 「ゼネラル・モーターズ(GM)の運転資金が年末に底をつくらしい」「いや、バラク・オバマ次期大統領が正式就任する2009年1月20日までは大丈夫だろう」

 「実質破綻している会社に500億ドルの資金をつぎ込むなんて論外だ」「いやいや、これだけ経済が悪化している時に、GMが破綻すると大変。破産を1~2年先延ばしするだけでも500億ドルの価値がある」

 「米国の自動車メーカーが生まれ変わる絶好のチャンスだ。デトロイト・ビッグスリーをビッグツーにして、現経営陣を総入れ替えし、全米自動車労組(UAW)との契約も根本的に見直せばいい」「しかし、そんな建て直しができるスーパーマンのような経営者がどこにいるんだ?」

破産か救済か、確率は五分五分

 こんな具合に、10月頃から窮地に追い込まれたビッグスリー、とりわけGMの救済措置を巡る議論が喧しい。今年10月に米国で売れた新車の数は83万台だが、ネットに飛び交う議論まで含めると、クルマの購入者以上の人が“にわか自動車通”になったかのような、百家争鳴の状態だ。

 当のビッグスリーは、経営トップが11月18日から19日にかけて米議会公聴会に出席して、政府に救済を求めたが、話し合いは不調に終わった。3社は議会側が設定した12月2日の期限までに、大規模なリストラを盛り込んだ再建策を提示して議員を説得できなければ、支援を受けることができない。

 GMの今後の身の振り方としては、米連邦破産法11条(いわゆるチャプター11)の適用を申請する確率が50%。政府が援助に乗り出して、とりあえず急場をしのぐ確率が50%。全く予想がつかない状況にある。

 それにしてもなぜ、GMはここまで追い込まれたのか。

 同社は1985年に米国で42%のシェアを握っていたが、現在は約22%とほぼ半分に落ち込んだ。同社の凋落の最大の要因は、ホームマーケットの大きな落ち込みによる。

 従業員数は2000年に全世界で34万9000人いたが、2007年には26万6000人に減った。8万3000人減ったことになるが、そのうち7万4000人が北米である。同じ先進国の欧州も3万2000人減少した。その一方で、アジアは2万3000人、中南米は9000人増加している。つまりこの10年、GMは途上国で順調に業容を拡大してきたものの、北米で滅多打ちに遭い、欧州でも苦しめられた。途上国シフトを進めてはいるものの、ホームマーケットのあまりの落ち込みに、リストラクチャリングが間に合っていないのが実情だ。

 同社は2004年後半から現在までに730億ドルの損失を計上。株価は60年来の安値で2ドル前後を推移しており、この間、97%の企業価値を失った。

 バランスシート上は大きな不足が生じている。GMは担保つき銀行借り入れが65億ドル、無担保借り入れが469億ドル、UAW向けの健康保険未払い分が350億ドルあり、合計884億ドルの借金がある。一方、実質的な企業価値は約484億ドルで、差し引き400億ドルのマイナスとなる。今年中に100億ドル、さらに2009年1~3月期に200億ドルの、少なくとも合計300億ドルを注入しなければ、存続が危うい。

JPモルガンやゴールドマンも気が気ではない

 キャッシュフローを見ると、GMが現在の企業規模を維持するために必要な運転資金は年間110億~140億ドル。2008年上半期までは月平均10億ドル強を使っていたが、下期になるとこれが急増し、月平均20億ドルずつを消耗している。GMは既に取引金融機関による45億ドルの運転融資枠を全額使っている。約款のうえでは、銀行側が返済を要求してきたら、今すぐ破産申請するしかない状態だ。

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