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時間という「第4の資源」が組織を強くする

  • 常盤 文克

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2008年12月26日(金)

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 重要な経営資源としてよく挙げられるのが、「人(ヒト)」「物(モノ)」「金(カネ)」です。この3つの資源に加えて、今回は「時(トキ)」の重要性について考えてみたいと思います。

 企業で働く人たちは、時間に追われる日々を過ごしています。ここでは、限られた時間でどれだけ多くの仕事をこなし、どれだけ多くのモノやサービスをつくり出すかが重視されます。とにかく急げ急げ、と時間に追われ、仕事の効率化や合理化、そして生産性の向上が求められているのです。

 しかし、視点を変えて見てみると、そんなに急いでどこへ向かおうというのでしょうか。目標は何なのでしょうか。急いで急いで、効率化や合理化を突き詰めていくことで、果たして勝者になれるのでしょうか。そんなことは決してないと私は思うのです。

時間には数値化できない「質」がある

 ここで時間の本質について考えてみましょう。時間を計測するためには、時計やカレンダーがあります。こういった道具を使って計れる客観的な時の経過を、我々は一般的に「時間」と呼びます。ところが、実際に体感する主観的な時間は、人が置かれている状況や環境によって大きく違い、一律に計れるものではありません。

 楽しいときや何かに夢中になっているときには、時はあっという間に過ぎていきます。一方、面白くないと感じていたり、誰かを待っていたりするときには、わずか1分でも長く感じます。また、株式の売買などでは1分1秒を争いますが、農業では月や季節の変化といった大きな枠組みで時間を捉えます。

 そう考えると、時間という概念が幅広い意味と価値を持っていることを認識させられます。時間には、時計に刻まれている目盛りや数字、時計で計れる時間の長短を越えた何か、例えば「時」の重さや軽さ、濃淡といったものがあります。「時」には物理的に計測できる「量」という側面と、その密度を示す「質」という側面があるのです。

 ドイツの作家ミヒャエル・エンデの『モモ』(『モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』大島かおり訳、岩波書店刊)という作品には、「時間とは、生きること」「人のいのちは心が住処(すみか)」という言葉が出てきます。人が時を過ごすということは生きることそのものであり、それには時計や暦はあまり意味を持ちません。人のいのちの本当の居場所は心の中にあるもの、時間に追われる生活をしていると、心も生活も次第にやせ細ってしまう――。そんな意味が、「時間とは、生きること」という言葉に込められています。

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