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2009年 世界はこう動く【第1回】

大学教授、エコノミストら海外の識者に聞く

2009年1月26日(月)

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 1月20日、米国初めてのアフリカ系大統領としてバラク・オバマ氏が就任し、世界は新しい局面を迎えた。

 華やかな就任式とは対照的にオバマ大統領の目の前には、深刻化する金融機関の経営難、底が見えない米国経済の落ち込み、紛争も続発する諸外国情勢など問題が山積みだ。米国や世界経済を再び安定軌道に乗せるためには何が必要なのか。米国の学識者らに話を聞いた。

第1回
ロイ・スミス氏〔米ニューヨーク大学教授〕

米政府は早急に金融に新規制を
「大きすぎて潰せない」の嘘

 今、米国政府が早急に取り組むべき課題の1つに金融制度改革がある。

 昨年9月のリーマン・ブラザーズの破綻で拡大した金融不況が未だ続いているが、問題はそれだけではない。

過去10年で3度も金融危機

 つい1998年には巨大ヘッジファンドのLTCMが破綻して、金融市場はパニック寸前になった。加えて2001年にはITバブルが崩壊し、さらにエンロンの不正会計により株式市場は混乱に陥った。つまり過去10年で3回も危険な状態を米国の金融市場は経験しているわけで、これは制度の問題を浮き彫りにしている。

 米国の金融機関が拡大して勢力を増していくにつれて、「Too Big Too Fail(大きすぎて潰せない)」という主張が叫ばれるようになった。倒産させれば、預金者や市場に被害が広がるから経営を継続させようというわけだが、そもそもこの概念をあいまいにしてはいけない。「大きすぎて、潰せない」とはどの業種のどの金融機関を言うのだろうか。銀行?保険会社?それとも証券会社?私たちはそこから考え直さなくてはならないだろう。

 最近の金融不況の最中でも、JPモルガンがベアー・スターンズを買収したり、バンク・オブ・アメリカがメリルリンチを買ったりと続々と新たな巨大金融機関が誕生している。

 そもそも米国の金融業界は法律によって銀行と証券の兼業はかつて禁じられていた。巨大な機関が昔から多くあったわけではない。「大きすぎる」との主張をするよりも、むしろ業種をきちんと分けて、それぞれの影響力を個別に考えることが大切ではないだろうか。つまり「大組織だから潰せない」のではなく、個々のビジネスについてその影響力を考えて、監視・規制をしていくやり方だ。

 例えば大手金融のゴールドマン・サックスにしても、仕事の内容は多岐に渡る。

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「2009年 世界はこう動く【第1回】」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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