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社長交代するトヨタの命運握る環境車(上)

トヨタ自動車・大塚明彦チーフエンジニア(新型プリウス開発責任者)に聞く

2009年1月22日(木)

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 トヨタ自動車は1月20日、創業家出身の豊田章男副社長が6月に社長に昇格する人事を発表した。危機に立ち向かう新トップにとり、極めて重要な新型車がある。5月中旬に発売するハイブリッド専用車の3代目「プリウス」だ。世界で100万台以上販売した実績があり、「環境のトヨタ」のブランドを牽引する大黒柱で、社運のかかったクルマといえる。大塚明彦チーフエンジニアが開発の狙いを、技術開発担当の瀧本正民副社長が環境戦略をそれぞれ語った。

問 新型プリウスの開発では何を一番重視したのか。

 やはり燃費だ。約1割向上させた。

 それを支えるのが、まず「空力(空気力学)設計」の進化。空気抵抗を可能な限り小さくできるように工夫した。100km以上で走行する際には、燃費改善に非常に効果がある。(現行プリウスの)「トライアングル・シルエット」という横から見ると屋根部分を頂点に三角形に見えるデザインを継承したものの、ボディや車体下部などに空気抵抗を減らす様々なアイデアを盛り込んでいる。

 搭載するエンジンを1500ccから1800ccに大きくしたのも、燃費のためである。高速走行時に、エンジン回転数を現行のプリウスより10%以上下げることができることの意味は大きい。とりわけ100km~120kmで走行している時に、燃費改善に大きな効果が見込まれる。プリウスのサイズ・重量に適した排気量は1800ccだと考えて、エンジンを拡大した。

新型プリウスとトヨタの大塚明彦チーフエンジニア(左)

新型プリウスとトヨタの大塚明彦チーフエンジニア(左)
写真:丸本孝彦

燃費のよさでホンダ「新型インサイト」に対抗

問 2月にはホンダがハイブリッド専用車「新型インサイト」を発売する。200万円以下の低価格になると見られているが、新型プリウスの優位性はどこにあるのか。

 新型インサイトと比べた場合の、トヨタのハイブリッドシステムの一番の強みは燃費になる。そこをしっかりアピールしていく。今後様々な車種に展開するためにも、トヨタのハイブリッド技術が持つ低燃費のポテンシャルを、まず新型プリウスで示していきたい。

問 新型プリウスは現行モデルと比べて、技術的に見てどのような部分で進化しているのか。

 モーターとインバーターの小型化に力を入れた。モーターの中核部品であるローターは、コイルの巻き方を変更して小型化した。さらに駆動用のモーターには、今回減速ギアを追加した。減速ギアを利用して、(モーターの)回転数を上げている。パワーはトルクかける回転数である。回転数をあげてパワーを得るようにした。つまり減速ギアによって、モーターの小型化が可能になった。これは新しい技術である。

 一方、インバーターには、「IGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)」という半導体を使っている。交流と直流の電流を変換する部分で電気エネルギーを制御するトランジスタだ。(現行プリウスの)IGBTは、やはり熱が高くなってしまう。新型プリウスでは、IGBTを冷却部分になるべく近いところに置く設計にして、冷却効率をあげている。結果的にIGBT自体のサイズを小さくすることができた。こうすることで、インバーター全体の大きさも、小型化できた。

問 先端とされるリチウムイオン電池ではなく、従来と同じニッケル水素電池を採用したのは、なぜなのか。

 トヨタにとって、リチウムイオンは必ずしもハイブリッドに必要なバッテリー技術ではない。プリウスの今のハイブリッドシステムがバッテリーに要求するニーズを考えると、ニッケル水素で容量も十分である。もちろんリチウムイオンとニッケル水素で、それぞれメリット、デメリットがあるので車の性格によって使い分けていく。そんな時代がしばらく続くだろう。

問 電池容量は現行モデルのプリウスと同じだ。

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「社長交代するトヨタの命運握る環境車(上)」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部などを経て、2017年1月から日経ビジネス副編集長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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