• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「みんなのハイブリッド」、プリウスと勝負

本田技術研究所・関康成主任研究員(新型インサイト開発責任者)に聞く
誌面連動インタビュー(1)

2009年1月26日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日経ビジネスは1月26日号で、ホンダの福井威夫社長を「リーダーの研究」で取り上げた。日経ビジネスオンラインでは、同記事と連動して、ホンダ関係者のインタビューを掲載していく。

 第1回は、危機に直面する福井社長が「ホンダの『社是』を具現化したクルマ」として期待するハイブリッド専用車、「新型インサイト」の開発担当者の関康成氏。2月6日に発売する新型インサイトは、190万円台からの低価格、ガソリン1リットル当たり30km走行できる低燃費、広い収納スペースなどが注目されている。

 ライバルはもちろんトヨタ自動車の「プリウス」。排気量を1500ccから1800ccに拡大した低燃費な新モデルを5月中旬に発売する予定だが、価格も200万円台半ばに上昇することが予想される。トヨタは新型インサイトを意識して、現行モデルのプリウスを20~30万円引き下げて、200万円前後で併売する構えだ。異例の決断には、「環境の旗印」であるハイブリッド専用車で負けたくないというトップメーカーの意地がにじむ。

 仁義なき戦いに挑む新型インサイトの戦略を聞いた。

問 ハイブリッド専用車では、トヨタ自動車の「プリウス」が圧倒的なシェアを持ち、高い環境イメージを築いた。ホンダは新型インサイトの開発において、何を一番重視したのか。

プリウスに挑むホンダ「新型インサイト」の開発責任者、関康成氏

プリウスに挑むホンダ「新型インサイト」の開発責任者、関康成氏
写真:陶山 勉

 まず手頃な価格だ。とにかくこれまでのハイブリッド車は高いという認識が、開発チームにはあった。たくさんのお客様に乗ってもらえる「みんなのハイブリッド車」を作ることが、第一目標だった。

 その前提に立った上で、2006年1月に開発をスタートするに当たり、いくつかの宿題が与えられた。「ホンダの環境ブランドを高められるハイブリッド専用車」「全世界共通のワンボディーで、各国の法規制は最小限の対応でクリアする」「ハイブリッドの中核システムのコストを引き下げる」「小型車『フィット』の部品を最大限流用して、完成車としてお客様の手が届く手頃な値段にする」といったものだ。この目標に向かって、全力で開発を進めてきた。

問 目標を達成する上でどのようなハードルがあったのか。

 3つあった。「コスト」「重量」「ホンダならではの運転する楽しさ」だ。

 まずコストに関しては(福井威夫)社長が「同じサイズ・性能のガソリン車と比べたコスト増は20万円以内に抑える」と宣言していた。現場としては「言っちゃった。ほんとかよ」という気持ちもあったが、目標は達成しなくてはならない。

 基本的には部品点数を削減し、構造をシンプルにして作りやすくしていった。ホンダには、「シビックハイブリッド」にも使われている「IMA」というハイブリッドの基本システムがあるが、新型インサイトでは97%の部品を新たに設計し直した。とにかく部品を薄く、軽く、安くすることに力を注いだ。

 まず心臓部分のモーター。コスト高の原因になる希少金属の使用量を削減した。生産技術を担当するホンダエンジニアリングのメンバーと知恵を出し合った。

 例えば、モーターの中核部品であるローターに銅線を巻くスピードを3倍にした。一口に3倍と言ってもそれは極めて難しい。テンションを一定にコントロールしないと線が切れたりだぶついたりする。だぶついた瞬間にショートする。漏電防止のために樹脂を中に埋めこんだ。年間20万台量産するという前提なので、コスト削減効果は極めて大きい。

 バッテリーもコスト削減のカギとなる。本数をどれだけ削減できるかが焦点となった。(シビックハイブリッドは11本だったが、)バッテリーのモジュールの出力を30%高めると7本にすることができる。電流を出し入れする際の負荷が高まるので、電池メーカーと協力して、より安全性を重視した設計を心がけた。

問 小型化したとはいえ、モーターやバッテリーを搭載するので、ハイブリッド車は車体重量が重くなりがちだ。

 重量のハードルは高かった。2007年半ばには、試作車の図面はできていたが、目標は達成できそうになかった。そこで1カ月かけて、図面をもう一度書き直した。

 500g以上の部品を洗い出し、1週間で朝から晩までチェックした。部品を薄くし、ボディの板組みを変え、スポットの位置を変更し、穴を開けた。剛性シミュレーションで現在売れているクルマでトップ級の強度を保ちながら、13kg軽くした。

問 「ホンダらしい走り」を実現したと言うが、抽象的な表現なので、理解しにくい面がある。具体的にはどういうことなのか。

コメント0

「リーダーの研究「赤字とトヨタに挑む」 ホンダ 福井威夫社長」のバックナンバー

一覧

「「みんなのハイブリッド」、プリウスと勝負」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス記者

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

短期保有者のいいようにさせたら、中長期で保有したいと考えている株主はどうなるのか。

貝沼 由久 ミネベアミツミ社長