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オバマが変えるスポーツ界(下)

スポーツメディアを潤す「歪み」にメスが入る?

2009年1月29日(木)

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 前回のコラムでは、オバマ政権が、「金持ち優遇」のブッシュ減税から大きく舵を切り、低所得層へ厚く所得分配することで、富裕層の球団オーナーの“稼ぎ時”を直撃することを書きました。今回は、税制と並んでプロスポーツリーグ経営に大きな影響を与える通信・メディアについて、新政権の影響を考察してみることにします。

 一昨年10月、突然NFLからこんなEメールが届きました。

NFLから届いたEメール

NFLから届いたEメール

 「プレッシャーをかけよう。市場を独占するケーブル会社をNFLネットワークとの交渉テーブルに着かせよう」(Start the Presses: Bring Cable Monopolies to the Bargaining Table with NFL Network)。そんなタイトルで、以下のような内容の本文が続いていました。

 「我々(NFLネットワーク)は、皆さんが追加料金なく24時間のフットボール放送をお楽しみいただけるように全力を尽くしてきました。しかし、ケーブル会社はこれに異を唱えています。ケーブル会社に、交渉のテーブルに着くようにプレッシャーをかけましょう。今こそ行動を起こす時です!」

 そして、メールの最後にある「ここをクリック」(CLICK HERE)の部分をクリックすると、ケーブル会社への抗議文を地元メディアに送ることができるようになっていました。なぜこのようなメールが突然送られてきたのでしょうか?

「うちのスポーツ番組を基本パッケージに入れろ!」

 実はここ数年、スポーツリーグが設立した自社ケーブルテレビ局とケーブル会社の間で「ケーブル戦争」と呼ばれる小競り合いが起こっています。ケーブルテレビの普及率が低い日本ではあまり馴染みのない多少複雑な構図になっていますが、簡単に解説します。

 ケーブルテレビ業界には、各家庭までケーブルを敷き、番組配信システムを管理して料金を徴収する「ケーブルオペレーター」(いわゆる「ケーブル会社」)と、テレビ番組を制作し、ケーブルオペレーターの設備を使い番組を放送する「ケーブルチャンネル」(いわゆる「ケーブルテレビ局」)という2種類の会社が存在します。ケーブルオペレーターは視聴者からケーブル視聴料を徴収し、ケーブルチャンネルにプログラム使用料を支払います。

 米国の4大スポーツリーグは、リーグが自ら運営するケーブルチャンネルを持っています。NBAが1999年に「NBA TV」を開設したのを皮切りに、NHLが2001年に「NHLネットワーク」を、NFLは2003年に「NFLネットワーク」を、そしてMLBも今年1月から「MLBネットワーク」を開設しています。

 ところで、スポーツリーグがケーブルチャンネルを設置したからといって、すぐに各家庭に番組を放送できるわけではなく、制作した番組をケーブルオペレーターに放送してもらうよう交渉しなければなりません。ケーブルオペレーターは、ポピュラーなケーブルチャンネルを揃えた安価な「基本パッケージ」(ケーブル視聴者は必ず加入しなければならない)をベースにして、スポーツ愛好者向けの「スポーツパッケージ」や、外国の番組を上乗せした「インターナショナルパッケージ」などを用意しています。視聴者は、好きな番組を見るために、追加料金を支払って、こうしたプレミアパッケージを選択するわけです。

 そして、ケーブルチャンネルがオペレーターと交渉する際の最も大きな(揉めやすい)ポイントが、「チャンネルをどのパッケージに組み込むか」です。なぜなら、多チャンネル化が進んでいる米国では、ケーブルテレビのチャンネル数だけで数百にも上り、「基本パッケージ」に加入するだけでも、30~40くらいのチャンネルが視聴できます。多くの人はこれで十分なので、契約者数は「基本パッケージ」が最も多くなります。

 スポーツリーグとしては、多くの視聴者にリーチするために、この「基本パッケージ」に組み込んでもらいたいわけです。視聴者が多ければスポーツが普及しやすい効果もあり、ケーブルオペレーターから徴収するプログラム使用料も高くなります。

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「オバマが変えるスポーツ界(下)」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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