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人類は「生物多様性」と「経済」を両立できるのか?

絶滅危惧種が教える次の環境問題

  • 藤田 宏之

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2009年1月30日(金)

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 生命の惑星「地球」ではたくさんの種類の生物が複雑な生態系の中でつながり、育まれている。食料として、資源として、これまで人類は、いのちの恵みを贅沢に享受しながら、繁栄してきたといっても過言ではない。いま、その豊かさが根底から崩れ去ろうとしている。専門家の予想をはるかに上回るスピードで地球温暖化や環境破壊が進み、絶滅の危機に瀕する生物が増え続けているのだ。

 「ナショナル ジオグラフィック日本版」では、今年、「地球のいのち」と題したシリーズ企画をスタートした。その第一弾では、米国の絶滅危惧種について考えてみる。



ハマヒメドリの亜種「最後の1羽」。ほとんど気づかれないまま絶滅の道をたどった。おもにフロリダ州メリット島に生息していたが、すんでいた塩水の湿地に殺虫剤がまかれ、淡水化も進められたため、かつて約3000組におよんだつがいの数はゼロになった。最後の1羽が死んだのは1987年。
ハマヒメドリの亜種「最後の1羽」。ほとんど気づかれないまま絶滅の道をたどった。おもにフロリダ州メリット島に生息していたが、すんでいた塩水の湿地に殺虫剤がまかれ、淡水化も進められたため、かつて約3000組におよんだつがいの数はゼロになった。最後の1羽が死んだのは1987年。

 米フロリダ自然史博物館に保管された標本ビン。中に収まっているのは、フロリダ州のメリット島に生息していたハマヒメドリの亜種だ。ラベルを見ると、「Last One」の文字とともに、1987年6月16日に死んだことが記されている。

 その死から3年半後、米国政府はこの鳥の絶滅を公式に認定し、絶滅危惧種のリストからはずした。同時に、ハマヒメドリが暮らしたメリット島の塩水の湿地も、「絶滅危惧種法(ESA: the Endangered Species Act)」にもとづく保全の対象からはずれることとなった。

 メリット島のハマヒメドリを絶滅に追いやったのは何か。原因は「近隣住民の生活改善」にある。ハマヒメドリは食用の鳥ではないし、狩猟の対象にもならない。人間に巣を荒らされたり、天敵を持ち込まれたわけでもない。ただ人々は、自分たちの生活を改善するために、生態系に手を加えてきた。蚊を駆除しようと殺虫剤のDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)を散布し、湿地に淡水性の植物が育つよう海水の流入をせき止めてきたのだ。

 ハマヒメドリは、塩水で育つミクリ科の植物が繁茂する湿地によく適応していた。生態系の絶妙なバランスの上に生息する鳥だったが、人間がそのことに気づいたときにはもう手遅れだった。すみかを奪われた生物はどうなるか。標本ビンの1羽が、その答えだ。



開発で生息地を奪われてしまった野生のオセロットは、米国ではテキサス州をのぞいてまったく姿を消した。中南米にはまだ生息するが、めったに人の前に姿を現さないため、信頼できる生息数のデータはない。
開発で生息地を奪われてしまった野生のオセロットは、米国ではテキサス州をのぞいてまったく姿を消した。中南米にはまだ生息するが、めったに人の前に姿を現さないため、信頼できる生息数のデータはない。

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