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ヒット商品は「脳科学」が作る

ニューロマーケティング~話題の新手法の実力【その1】

2009年2月2日(月)

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「 ニューロマーケティング」という新たな手法が注目されている。
消費者が言葉にできない真意を読み取れる可能性があるからだ。
ヒット商品不在の現状打破を期待されるが、果たして真価は。


 眼前に見慣れない光景が広がっていた。ドーナツ状の装置の中心から突き出た細長い寝台。その上に人が仰向けの状態で静かに横たわっている。だが、頭部はドーナツの輪の中に隠れ、表情をうかがうことはできない。

 ドーナツ状の装置は、人の体内の臓器などの活動を測定して画像化するMRI(磁気共鳴画像装置)。異状の有無を診断するために医療現場で使われている。この装置がある部屋の隣室に置かれたパソコンのモニター画面には、被験者の脳の内部が鮮明に映し出されている。

 もっとも、寝台に横たわっている被験者は、医療機関に診察を受けに来た人ではない。そもそも、MRIのあるこの施設自体が医療機関ではない。ここは、京都府精華町の「けいはんな学研都市」にある国際電気通信基礎技術研究所(ATR)。パソコンのモニター画面を凝視しているのは、外部の企業の社員たちである。

深層心理の反応を探る

キーワードを理解するキーワード

行動経済学

「人間の選択や行動は合理的になされる」という従来の経済学の前提を否定し、人間の実際の選択や行動を究明する経済学。ニューロエコノミクスは、この一分野に位置づけられている。

脳機能イメージング技術

被験者の脳内活動を計測して、結果を画像化する技術。脳の血流の変化を捉えるfMRIや脳波を計測するEEG(エレクトロエンセファログラム)、SST(定常状態トポグラフィー)などがある。

f MRI(機能的MRI)

Functional Magnetic Resonance Imagingの略称。血流の変化に伴って増加する磁気共鳴信号をMRIで測定。それを基に脳内の血流動態を3次元画像にし、特定部位の機能を解明する。

 彼らはATR から実験室を借りて、MRIを使った実験を行っていたのだ。レンタル料は、測定精度の高い磁場強度が3テスラのMRIが備えつけられた実験室が90分当たり18万円。1.5テスラのMRIがある実験室は同12万円だ。企業がこれだけ高い料金を支払ってまで実験室を借り、MRIを用いた実験を行うのはなぜなのか。

 「ニューロマーケティングに対する関心が高まり、実際に試してみようと考える企業が増えてきたからだ」。ATRの子会社で実験室のレンタルを手がけるATR-Promotionsの正木信夫社長はこう語る。

 英語で神経を意味するニューロとマーケティングとを組み合わせたこの造語は、脳科学のアプローチを使って人間の消費にかかわる心理や行動を解明し、それをマーケティングに応用する試みを指す。2004年頃から欧米で盛んになり、日本でもここ1~2年の間に具体的な取り組みが見られるようになってきた。

 ニューロマーケティングが台頭した背景にはまず、脳科学において脳の各部位の機能や働きの解明が進んだことがある。さらに、被験者に損傷を与えずに脳の活動を測定し、画像化する技術の発展も貢献した。

 その技術の中で最も発達したのが、MRIを使って脳の機能を調べる方法だ。「fMRI(機能的MRI)」と呼ぶ。

 MRIは、血流の変化から脳や臓器で活性化している部位を捕捉する。例えばMRI で脳の活動を測定している最中に、写真や絵を見せるといった刺激を与える。そして、脳のどの部位が活性化したかをMRI で特定する。その部位が司る機能を基に解析すれば、被験者が深層心理で刺激をどう受け止めたのかが分かるというわけだ。

カネボウの実験が示す可能性

 より具体的な例を示そう。カネボウ化粧品が2008年10月に発表した研究の成果である。これは脳科学者の茂木健一郎氏と共同で実施している研究の第1弾だ。ATRの実験室を舞台に次のような実験を行った。

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「ヒット商品は「脳科学」が作る」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長