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【会社の寿命】企業の繁栄は、たかだか30年

人も企業も寿命がある~企業は永遠か(1)

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2009年2月12日(木)

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日経ビジネスが生んだ時代のキーワード、「会社の寿命は30年」。1980年代半ば、「企業は永遠か」「診断 会社の寿命」の2つの特集を通して企業の栄枯盛衰を分かつ法則を分析した。時代が大きく動く今、あらためて盛者必衰の理を考える時だ。

* * *

1983年9月19日号より

 日本経済百年の、驚異の発展、成長を推進してきたものは企業のバイタリティー。明治以来、産業構造の激しい変化の中で、時代を代表する有力企業の顔ぶれは目まぐるしく移り変わったが、没落していく企業がある一方、それらに代わって、たくましい企業家精神を受け継いだ新興企業群が台頭した。

 本誌調査が明らかにした企業の寿命――1企業が繁栄を謳歌できる期間――は、平均わずか30年。経営者が企業家精神を失う時、企業は、たちまち衰亡の途を転落し始める。私利私欲に走らずに、企業家としての情熱を持ち続け、透徹した眼で先を見通して、ハラのすわった決断のできる経営者だけが、企業を成長させ、その生命を永らえさせることができるのだ。

 今、日本は“峠の時代”。失われた企業家精神をとり戻し、ニッポン病を克服して、未来への新たな飛躍を実現するために、われわれは今、先人たちの栄枯盛衰の歴史に残された教訓を率直に受けとめねばならない。

(須藤 公明、大河原 暢彦、杉山 栄一、城田 健二郎)

 「世に名高き小野組は當11月20日に戸を閉めたり…。御一新の初より三ッ井組と共に朝廷に對し會計向きの御用を勤め日本国中に於て三井、小野と称せられ世上より見る時は萬代不易とも云ふべき程の豪家なるが、今日に至りて俄に戸を鎖ざし…」。

豪商の破綻で始まる近代産業史

 明治7年11月23日付の東京日々新聞の1面を飾った記事である。維新の希望に燃えて、文明開化の道を歩み始めたばかりの日本国中があっと驚いた豪商小野組の倒産。大蔵省を初め、3府60県のうちの5分の3の出納御用を一手に引き受け、日本初の株式会社の設立にも参画した小野組の破綻は、波乱万丈の近代日本産業史の幕開けにふさわしい、象徴的な出来事であった。その驚きを記事は率直に伝えている。

 誰もがその未来永劫を信じていた企業が、突如、破局を迎える――。小野組の悲劇は、100年の歴史を通じて再び三たび繰り返される。

 「雁度寒潭雁去而潭不留影」(かりかんたんをわたり、かりさってたんにかげをとどめず)。

 金沢市金石町にある大野湊神社にこんな碑文が残されている。6年前に消滅した総合商社安宅産業の創始者、安宅弥吉を祀った石碑である。栄枯盛衰の波間に浮かんで消えた経営者の哀感が胸を打つ。

 人間は生まれ落ちた時から死への旅を始める。企業もまた、創業と同時に、いつの日か衰亡の危機に直面する宿命を負わされているのだ。そして、その「いつの日か」は、決して遠い未来の話ではない。

 これを実証したのが、本誌が中村青志・東京経済大学助教授の協力を得てまとめた「日本のトップ企業100社」の過去100年間の変遷だ。この調査は明治29年と44年を総資産額で、大正12年、昭和8年、18年、25年、35年、47年、57年を売上高(収入)で、それぞれ上位100社を算出したもの。その結果は、果してどうでたか。上記9期間、連続して上位100社に名を連ねることができたのは、わずかに1社、王子製紙だけ。企業は永遠に繁栄を続けられないことを、この事実が端的に物語っている。では、一体企業が繁栄を維持できる期間はどの程度か。これを算出するため、今度は規準を統一し、総資産額だけで明治29年から昭和57年まで、ほぼ10年おきに10期間の上位100社の推移を調べてみた。

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