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セブン&アイ鈴木敏文会長が語る
自己とともに不況を壊す

2009年2月5日(木)

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 「底入れの時期がいつになるかというのは、現時点では予想不可能」「世界同時不況の波が日本にもひたひたと押し寄せている」――。

 この国の経済財政を担当する与謝野馨大臣は、そう言った。

 大手企業は相次ぎ業績を下方修正し、今年3月までに12万5000人の非正規労働者が職を失うという。その先に見えるのは、未曾有の消費大不況。国内最大の小売業、セブン&アイ・ホールディングスのトップ、鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者)の危機感は頂点に達している。

 俺が作ったものは、俺が壊す――。

 そう言わんばかりに、約1万2000店のコンビニエンスストア、約180店の大型スーパー、約220店のスーパー、28店の百貨店などを統率する総帥は、最後の大仕事に取りかかる。

 グループの原点であり中核を成すイトーヨーカドーを壊し、今もなお業績低迷に喘ぐ西武百貨店やそごうを作り直す鈴木会長。高収益企業のセブンイレブンですら「限界はない」と新たなビジネスモデルを模索する。

 ヨーカ堂に入社してから45年、76歳になった鈴木会長が、自己破壊の掛け声とともに挑む「100年に1度の不況」破壊を語る。

写真、鈴木敏文会長

セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長(写真:清水盟貴)

 ご存じのように、バブル崩壊の時は国内だけの問題でしたが、今回は、米国が引き金。日本に対する影響はそれほどないんじゃないかと言われていたけれども、実際には完全に世界大不況の中に巻き込まれたという感じですよね。そういう意味では、近年、日本とすれば経験したことのないような状態にある。

 さらに問題なのは、日本経済自体が、相当安定した状態にあったよね。そこへ、こういう衝撃を受けたということですから、このショックは非常に大きい。加えて、消費も盛り上がりを全く見せない落ち込みにきている。二重苦、三重苦のような状態になっていることが、今の日本経済の実態じゃないかと思います。

消費の飽和に急激な不況のダブルパンチ

 これは前からずっと言っているけど、要するに、消費が飽和の状態にきていた。日本経済全体の景気がよいと言われていたけれども、我々流通の側から見ると、決してよくなかった。じゃあ、みんな生活に困っていたかというとそうじゃなくて、商品が豊富だったから、その中で慌てて商品を買うこともなかったということです。

グラフ、セブン&アイ・ホールディングスとイオンの業績推移

 それが今度一挙に、ある人たちにとっては買えないという状態になり、そうは言いながらも消費は飽和の状態だから、慌てて買う必要がない人もいる。完全に消費そのものがシュリンクしちゃっている。

 だから、やはり我々の企業としての生き方というものも変えなくちゃいかんということは、言っていました。食品でも衣料でも、住居でも何でもそうだけど、質というものを重視しながら、やはり価格というものをより意識しなくちゃいかんということを、昨年あたりからずっと言っていたわけです。それがここへきて変化が激しくなっているから、加速して徹底させている。

コメント2件コメント/レビュー

マーケティングとは、過去のデータがほとんど意味をなさない分野。つまり未来を予測して先取り行動する分野であることを、私たちはしばしば忘れている。机上の理論を積み重ねて、革新的で価値のあるものが生まれたためしはない。結局、現場で一線をはるすぐれた商売人が見なくてはならないのは、すでに作られたマーケティング理論の応用ではなく、常に変化し続ける目の前の客だ。自分のターゲットが本当に何を求めているのか、そしてこれから先何を必要とするのかといった未来予知能力と、対価を払う価値のある徹底したホスピタリティの追求こそマーケティングの本質だ。マーケティングは、普段の日常から始まっている。マーケティング本を読み漁るマーケターよりも、自分の奥さんの日常のニーズを的確にキャッチし、先回りできる男のほうが、(モテるし)マーケターとして優れているのだ。会長は、まさに後者のタイプだと思った。もはやこれからの時代、既存の理論は通用しない激動の時代を迎える。見習うべき点が多い。(2009/02/05)

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「セブン&アイ鈴木敏文会長が語る
自己とともに不況を壊す」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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マーケティングとは、過去のデータがほとんど意味をなさない分野。つまり未来を予測して先取り行動する分野であることを、私たちはしばしば忘れている。机上の理論を積み重ねて、革新的で価値のあるものが生まれたためしはない。結局、現場で一線をはるすぐれた商売人が見なくてはならないのは、すでに作られたマーケティング理論の応用ではなく、常に変化し続ける目の前の客だ。自分のターゲットが本当に何を求めているのか、そしてこれから先何を必要とするのかといった未来予知能力と、対価を払う価値のある徹底したホスピタリティの追求こそマーケティングの本質だ。マーケティングは、普段の日常から始まっている。マーケティング本を読み漁るマーケターよりも、自分の奥さんの日常のニーズを的確にキャッチし、先回りできる男のほうが、(モテるし)マーケターとして優れているのだ。会長は、まさに後者のタイプだと思った。もはやこれからの時代、既存の理論は通用しない激動の時代を迎える。見習うべき点が多い。(2009/02/05)

自分で作ったものをあっさり否定できることが素晴しいです。みんなが思うことの逆を進まなくては大勝することは、難しいですね。でも、それは実力がないと大損してしまいますが。次々といろいろなものを組み合わせて作る相乗効果は、無限ですね。真似されてもいい、続きを書いて本物と認めさせる。そんなことができる人っていったい何人いるのでしょか。やっぱり、経営者はこういう人であって欲しい。(2009/02/05)

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日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授