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国民皆保険の功と罪

一人称の生命観について

2009年2月10日(火)

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 前回のコラムに、多くの大切なコメントやトラックバックを頂戴いたしました。

 ガンの問題をこのコラムでというのは、実は父が経済学を志しながら果たせなかったことなどもあり、「常識の源流探訪」を始めた当初からずっと考えてきたものでした。

 思いをもってリニューアル以降「タバコ」の話をきっかけにお話ししておるわけですが、現在闘病しておられる読者の方から、このように深い内容をご指摘いただいて、感無量です。一つひとつ、心して拝読いたしました。今回も心を込めて記したく思います。

 父が亡くなった時、私は小学校1年の6歳でした。秋葉原の三井記念病院で亡くなって、葬儀も終わってしばらくした頃、母が病理解剖の結果を聞いてきました。父はあごの真下、のどの辺りにあるリンパ腺が肥大してグリグリしていたのですが、それが悪性になって転移したのが病因、とのことで、それを1年生の私に母が説明してくれました。聞くなり

 「あ、それと同じの僕もあるよ」

 と答えた時の、母の表情、覚えています。

 すぐに私のあごの下に手を入れて、それを確認して、しばらく無言でした。

 これ以後、折に触れてこの「のどのグリグリ」の検査をすることになりました。超音波などで診てもらい、異常がないのを確かめるというのを、あれから40年近くたちますが、現在まで続けています。中学2年の時、私がタバコを喫ってみたところ、お袋に泣かれたのも、実はこんな背景がありました。

発ガン物質と私

 私は大学では物理を学びましたので、放射線源やら有機触媒やら、いかにも身体に悪そうなものと、意識無意識にたくさん、触れる機会がありました。そのうち、アスベスト(石綿)が悪いということが言われ始めましたが、私たちの子供の頃は理科実験には「石綿付金網」は必需品で、中学時代から地学部など理科のクラブでコンスタントに実験機材に触れてきた私は、まず間違いなく、山ほどこれを吸っているだろうという覚悟があります。

 石綿は揮発性の物質と違って、炭塵などと同様、肺の中に残留しますので、かなり気をつけた方がよいものです。

 また大学院時代には、大量の四塩化炭素で半導体関連の大きな機材の洗浄を手洗いでしたこともありました。実験装置をゼロから作る研究室でしたので銀ロウ付けとか簡易溶接とか、高温で焦げた有機溶媒の煤を吸うようなことも、てんこ盛りしています。ただ正直申して、これは、仮に体に悪かったとしても(ガスマスクなどしなかったのは不備としても)とてもよい経験だったと、今でも恩師にとても感謝しています。

 ただ、今現在も大学・大学院で研究者をしておられる読者がおられると思うので、一応書き足しておきますと、大学というところは労働基準法などの知識や経験がありません。また実験科学者というのは、「これはコウすれば可能だ!」と分かると、後先考えずに、すぐにそれを試してみるという、やや困った習性があります。

 こうしたことから、あとから見ると「これはやめといた方がいい」というような発ガン性物質とのつき合いをしてしまうことが、サイエンスやテクノロジーに関わる人に出てきます。実験科学者のキュリー夫妻やフェルミはもちろん、理論家でしたがファインマンなども、原爆製造計画の過程ででしょう、被曝しているようです。私自身も20代半ばまで、自覚もなしに、いっぱいやってしまいました。

失って知る健康とリスク

 こうしたリスクについて現実的に考えるようになったのは、音楽専業になってしばらくした頃、過労と耳の使いすぎで労作性眼振、つまり単純性の「めまい」をやって、立てなくなった経験が大きかったです。

 皆さん、「めまい」というものをご存じですか? というか、ご自身や周囲に経験者がおられますでしょうか? 

コメント11件コメント/レビュー

人間は病気にかかるもの。病気に罹れば医薬に頼って直す。誰もがそう思っていますね。本当に直りますか。私は、直ら無い事態を実体験し、同じ事例を沢山知っています。 今の私には医療保険は保険料を取られるだけで,ここぞと言う時、役に立ちませんでした。匙を投げられました。 最近、新谷弘美氏の「病気にならない生き方」を読み、私達家族が50年間実践して来た実績を追認する内容でした。 医療は、本来病気にならない人造りで無ければならない。病気になってからの医療では遅いのです。国の医療に対する基本ポリシーが根本的に間違っている。将に予防に勝る医療無しです。 今までの厚生行政のやり方では破綻は必定です。私は、健康長寿の為、本物の農作物を栽培し、有害食材ボイコット生活で無病息災連続20年のレコード更新中の80歳です。どう思いますか。後期高齢者医療保険も介護保険も共に無駄、不要だ。ただし、これに倍する金額を健康投資しての結果だから国は両保険料を免除するのが公平・平等ではないか。(2009/02/10)

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いただいたコメント

人間は病気にかかるもの。病気に罹れば医薬に頼って直す。誰もがそう思っていますね。本当に直りますか。私は、直ら無い事態を実体験し、同じ事例を沢山知っています。 今の私には医療保険は保険料を取られるだけで,ここぞと言う時、役に立ちませんでした。匙を投げられました。 最近、新谷弘美氏の「病気にならない生き方」を読み、私達家族が50年間実践して来た実績を追認する内容でした。 医療は、本来病気にならない人造りで無ければならない。病気になってからの医療では遅いのです。国の医療に対する基本ポリシーが根本的に間違っている。将に予防に勝る医療無しです。 今までの厚生行政のやり方では破綻は必定です。私は、健康長寿の為、本物の農作物を栽培し、有害食材ボイコット生活で無病息災連続20年のレコード更新中の80歳です。どう思いますか。後期高齢者医療保険も介護保険も共に無駄、不要だ。ただし、これに倍する金額を健康投資しての結果だから国は両保険料を免除するのが公平・平等ではないか。(2009/02/10)

喫煙者の保険適用除外はもちろんのこと、アルコール中毒、肥満などの生活習慣病、日常生活での視力低下、運動不足による怪我・腰痛、危険運転による交通事故での怪我などは保険の対象外とすべきですね。(2009/02/10)

石綿付き金網の石綿は飛散するものではなく、普通に使用していれば特に危険性はないようです。皆保険と人種差別の関係を指摘する引用がありましたが、その考え方は少し古風でやや偏りがあるように感じます。現在アメリカに住んでいますが、医療制度の崩壊ぶりには目を覆うものがあります。こちらで生活している者としては、生きるか死ぬかの現実の問題です。大学で仕事をしていて、保険にも入っていますが、保険業界と医療業界の癒着による医療費の高騰で、何かの病気になったとき、あるいは事故に会ったときに支払えるかどうか分かりません。インフルエンザで高熱になり救急に行けば、保険に入っていても自己負担8万円の世界なのです。下手な病気にかかると人生の終わりになってしまう人がたくさんいるのです。人種云々どころではないところまできてしまったのです。そういう状況でオバマ氏が大統領に当選したということを忘れないで下さい。どんな人種の人でも、普通の暮らしぶりの人ならば、同じような問題を抱えています。基本的に病院には行けないのです。保険もピンからキリまであり、普通の自営業者が買うことができる妥当な金額の保険は、最初の15万円は保険会社の負担なしといったものがほとんどで、それ以上のものになると月6万円の保険料になったりします。当然歯医者は含まれていません。日本の皆保険とアメリカの医療問題は全く別のレベルにあり、一緒に議論するのはやや焦点がずれているように思います。(2009/02/10)

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