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DVDソフト、新作絨毯爆撃から脱皮して成功

こんな時代だから旧作が売れる~ライトユーザー層を開拓するディズニーの戦略

  • 中村 均

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2009年2月18日(水)

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 DVDを中心としたパッケージ市場はここ数年マイナス成長が続き、米国発の景気後退と相まって状況は厳しくなるばかりだ。そんな中、「新作勝負一辺倒のこれまでのやり方を変え、旧作(カタログ作品)にもマーケティング力を配分して、変化する市場の荒波を乗り切ろう」とする集団がある。それが、ウォルト・ディズニー・ジャパンのビデオ販売部門であるウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメントだ。

 今回は、同社が手がけた2008年クリスマス商戦でのマーケティング手法から、DVD市場復活の糸口を探る。

 2008年、クリスマスを控えたレコード店――。クリスマスのデコレーションの中、同年夏に公開された「インディ・ジョーンズ」や「ダークナイト」といった新作映画のDVDが、それぞれ平台に大きなスペースを押さえて面陳(ジャケットを見せて陳列)されている。作品の話題性と物量の両面で、来店客の購買行動を誘っているわけだ。

 一方、ディズニー作品のコーナーも来店客の注目を集めている。こちらは特設の棚に面陳しているが、1つの作品ではなく、複数の作品が組み合わされたコーナー構成だ。そして各ジャケットにはクリスマスプレゼントの雰囲気を演出したリボンのラッピングが施されている。

 このディズニーのコーナー展開が、2008年10月から3カ月間実施した生活提案型マーケティング手法の第1弾「ディズニー・クリスマス・アットホーム」の現場だ。

 一見すると、懐かしいディズニーアニメーションの旧作(カタログ商品)タイトルを中心に、店頭を飾りつけただけのようにも見える。だが、にぎやかなディスプレイの背景には、緻密なテストマーケティングにより導き出された“売るための仕組み”がそっと隠されているのだ。

2008年クリスマス商戦期の新星堂・港北東急店のディズニーDVDコーナー

2008年クリスマス商戦期の新星堂・港北東急店のディズニーDVDコーナー

右肩下がりのDVD市場と新作・話題作頼みの限界

 現在、DVDなどの映像パッケージビジネスは厳しい局面を迎えている。日本映像ソフト協会(JVA)が発表した2008年のビデオソフト市場(速報値)は前年比89.4%の約2882億円にとどまった。2005年以降、4年連続の前年割れだ。

 ところが、ディズニーは2008年第4四半期(10~12月、JVA調べ)の市場全体が前年比77.4%と落ち込む中、定番のディズニーアニメーションなどの旧作タイトルは前年比126.5%と健闘している。この市場の動きと乖離した結果を、同社はどのように導き出したのだろうか。

ビデオソフト売上高

2004年は約3754億円の市場規模であったが、2005年以降マイナス成長が続く(2008年の売り上げのみ速報値ベース)
(出所:日本映像ソフト協会)

 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント(以下:ディズニー)日本代表の塚越隆行氏はこう言う。

「カタログ作品(旧作タイトル)の場合、店頭の多くが“映像ファン向けの目的買い”用に作られており、ライトユーザーが“ついで買い”するのに快適な環境ではないのでは――と常々感じていました。そこで、これを変えるためには何が必要なのかを探るために、2004年から販売店さんの協力を得て各種の実験と調査を始めました」(塚越氏)

 塚越氏が指摘するように、DVDショップの店頭スタイルはどこも似通っている。最も大きく陳列されているのは、最近劇場でヒットした映画の新作DVD。広いスペースを“面”で押さえることで、来店客に商品を訴求する。

 一方、旧作はというと、新作よりもタイトル数が多いにもかかわらず、五十音やアルファベット順、あるいはおおまかなジャンルに分けられて陳列されている。もちろんPOS(販売時点情報管理)レジを入れている店もあるが、導入していても品揃えの参考として集計データが利用されることはあまりなく、多くの場合が熟練した店員の“勘”を頼りに商品の発注が行われている。

 このため、実際の来店客のニーズに見合った棚作りになっていないケースが少なくない。一部の作品はジャケットを見せて陳列しているものの、ほとんどは棚差しで背表紙しか見えない。「指名買い以外のお客はお断り」と自ら宣言しているようなものだ。

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