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オバマ「グリーン政策」は「IT革命」を超えるか?

常識の源流対論・寺島実郎 その1

2009年2月17日(火)

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(編集部より:今回から4回連続で伊東乾氏の対談シリーズ「常識の源流対論」をお届けします。1回目は日本総合研究所会長の寺島実郎氏との「対論」です。お2人は旧知の間柄。オバマ大統領後の米国経済、そして国際社会の行方について2回にわたって語り合っていただきました)

寺島 実郎(てらしま・じつろう)氏

寺島 実郎(てらしま・じつろう)氏
日本総合研究所会長。1947年北海道生まれ。73年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。三井物産入社。83年ブルッキングス研究所に出向。87~91年、米国三井物産ニューヨーク本店業務部情報・企画担当課長。91~97年、米国三井物産ワシントン事務所所長。99年から三井物産戦略研究所所長。2006年から三井物産常務執行役員、早稲田大学アジア太平洋研究センター客員教授。

(写真:大槻 純一、以下同)

 寺島 久しぶりだね。この間はいつだったっけ?

 ―― NHKの「地球特派員」のスタジオで対談をお願いして以来と思います。

 寺島 あなたが米軍基地で訓練したやつね。

 ―― 米軍のイラク増派が決まった2007年2月でした。

 寺島 あれは面白かったね。ブッシュ・レームダック政権を強く印象づけられた。

 ―― ちょうどあの時ノースカロライナで、オバマ上院議員の出馬表明を聞いたのですがあれからこう展開するとは…。

 寺島 うん、当選するとは思わなかった。でも、流れは来てたよね。

 ―― というようなところから、オバマになってアメリカが、そして国際社会・経済がどう動いていくか、みたいなところについて、今日は順番にお伺いしたいと思います。

 寺島 ポイントを絞るとしたら、経済中心でいいかな?

 ―― そうですね。「経済」に、できればイノベーションが絡むあたりで伺えればと思うんですが。

 寺島 分かった。じゃあむしろ、イノベーションから行こうよ。

新しいアメリカ救国のキーワード「グリーン」

 寺島 今、僕の頭の中にあるオバマの経済的なインパクトということで考えるとね、強くある問題意識は、オバマが掲げているグリーン・レボリューション、この「グリーン」というキーワードね。

 ―― 盛んに言っていますね。

 寺島 うん、グリーン・ニューディールでもいいんだけど、果たしてこれがちょうど1990年代以降進行した「IT革命」のようなインパクトを持つかということ。

 ―― 確かに似た線を狙ってますね。

 寺島 僕はちょうど、クリントン政権と並走するような形でワシントンにいたので痛感するんだけど、あの時の「IT革命」という言葉に象徴されるような、いわゆる科学技術上の大きなパラダイム転換みたいなことに果たしてなるのだろうかということ。これを最大の問題意識として考えてみたいと思うんだよね。

 ―― とても面白いですね。「グリーン革命」のサキヨミを考えるというのは。

 寺島 そうそう。人間は「お釈迦様のてのひらの中を生きている」というのが、私なりの今までの時代を生きてきた人間としての総括なんだけどさ、要するに人間は環境の子だと思うんだよね。

 ―― 人間環境が99%ですね。DNAが決めることは限界があるけれど、環境は無限。このところ、ぞっとしない話ですが「生活習慣病」などと診断されまして、痛感しますね。

 寺島 そういう意味で、それぞれの人が、自分が生きた時代を背負って、主体的に働き、何かに係わっている、というように認識しがちだけれども、実は後になって振り返ってみると、大きな枠組みの中で生かされていることに気がつくわけ。

 ―― このところ、典型的なケースを見る気がします。

「IT革命」とは何だったのか?

 寺島 その典型が、例えば「IT革命」を取り上げてもね、いったいあれほど興奮した、アレは何だったか、とか考えざるを得ないわけだ。今やICT(Information and Communication Technology)という言葉の方が主流になりつつあるけど、IT革命とは何だったのかを僕なりに振り返ると、僕がワシントンにいた時代、つまり91年から97年までの間に「ITでよみがえるアメリカ」なるストーリーと並走した形になるわけね。

 ―― 僕もこの流れの中で、遅れて日本の大学に出来た「IT部署」に人事があったので、一連の流れは「IT革命」ではなくアメリカの「キャンペーン」だと思いますね。

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