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「企業戦士」たちの苦悩[5(上)]
~負けるな!上司-部下との新しい関係

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2009年2月25日(水)

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年功序列から実力主義へ--。バブル崩壊後、多くの日本企業は、それまでの人事制度から決別し、実力主義を取り込んだ新しい仕組みを相次いで導入した。当然、求められる上司像も大きく変わった。その後、行き過ぎた実力主義は組織を疲弊させる結果ともなったが、導入初期の1995年当時はまだ、新たな仕組みへの試行錯誤が続いていた時代だ。

(注)会社名、肩書きなどは当時のまま

* * *

1995年4月3日号

 「どうか変わってください」--。企業は中堅管理職の意識を変えるため年俸制や専門職制度など欧米式の人事制度を導入してきた。だが、同質化した日本的組織の壁が意識改革を阻む。日本的経営の枠組みの中で、新しい上司(リーダー)像をどう打ち立てるか。中堅層個人(第1部)、企業(第2部)の取り組みを報告する。

(酒井 綱一郎、多田 和市、降旗 淳平)

特集―第1部
こんな上司が欲しい!-部下にモテル5人の男たち

 電機メーカーや金融機関は、バブル社員を多く抱えている。東芝も、バブル絶頂期の1991年と92年には、今年採用の2倍に相当する1400人の新卒者を採用した。バブル社員の有効活用はどこの企業も悩みの種だ。

 東芝本社12階、その一角を占めるパソコンの販促グループは、そこだけ若い熱気でムンムンしている。

 “田島組”。そう名付けられた部隊をまとめるのは、今年50歳になる田島正興。8人の部下(男5人、女3人)は、20代後半から30歳そこそこの若手ばかり。一番の年長者でも、田島より17歳も離れている。東芝社内でもとりわけバブル期に入社した若手社員が多く集まる。

 「バブル社員を相手に大変だな」と周囲に冷やかされる。だが、田島は「それは違う」と思っている。騒々しさでは他部署を圧倒するが、仕事に生きがいを見いだしたハードワーカーたちに満足しているからだ。

 よく働く。春のビジネスシヨウや秋のデータショウといったイベントの1カ月前になると、残業に伴うタクシー帰りや徹夜作業などが連日のように続く。パソコンの企画開発の現場に飛び込んで情報収集したり、休みのはずの土・日曜日にも、秋葉原などのパソコンショップを視察して実売価格のチェックを欠かさない。

 「地ならしをするブルドーザー」。91年入社の林典志による田島評だ。

 一人ひとりの能力や経験に応じて仕事を与えていく。仕事の位置づけを丁寧に説明し、何がポイントかを提示する。ブルドーザーで地ならしした道を、部下がついてくる感じだ。

 その実、ブルドーザーは、道路を舗装することまではしない。部下に任せる。製品の売れ行きを左右する大きなイベントであっても、テーマ決めや製品の展示方法などを、若手にコーディネートさせる。大きな責任を持たされた部下は、イベントを成功させるために情報の収集や他部署との打ち合わせに奔走することになる。

 田島組は最近、東芝の代表的なパソコン「ダイナブック」のサブノート版を売り出すにあたって、CD‐ROM(コンパクトディスクを利用した読み出し専用メモリー)版の商品ガイドを製作した。製品案内は、車にたとえてある。画面に車内が映り、「エンジン」の部分を選ぶと、ダイナブックのCPU(中央演算処理装置)に関する説明が出てくる。車をふかす音も加えるなど、ユーザーを飽きさせない。若手のアイデアだ。

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