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WBC連覇でも、日本球界は浮かばれない?(上)

メジャーだけが肥える不平等なカラクリ

2009年2月26日(木)

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 2月に入り、日本のプロ野球選手たちは春季キャンプで汗を流し始めました。4月のシーズン開幕に備え、多くの球団が宮崎県や沖縄県などにキャンプを張っています。暖かい地で、選手たちは、半年以上続くシーズンを戦い抜く体力作りと、実戦感覚を取り戻すために練習に励んでいます。

 毎年この季節に見られる「風物詩」ですが、今年のキャンプはある異変が起こっています。例年に比べ、多くのファンがキャンプ見学に押しかけているのです。そのお目当ては今年3月から開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表チームの代表候補選手たち。王貞治監督率いる日本代表チームが、3年前の第1回WBCで初代チャンピオンに輝いたのは記憶に新しいところです。そこで、各チームの代表候補選手の仕上がり具合を、期待を持って見守っているわけです。

 当然ながら、代表チームのキャンプは大盛況となっています。悪天候や強風などの悪条件にもかかわらず、最初の4日間の練習に17万人もの野球ファンが集まりました。24日夜に放送された強化試合、日本対オーストラリアの平均視聴率は20.8%、瞬間最高視聴率は27.4%(ビデオリサーチ社調べ)にものぼりました。

 日本中の注目を集めるWBC――。しかし、その生い立ちには根深い問題が潜んでいます。果たして、WBCは閉塞感が漂う野球界の救世主となれるのでしょうか?

王貞治監督とイチロー選手

2006年のWBC第1回大会での王貞治監督とイチロー選手 © AP Images


米国のリーグと選手会が牛耳る大会

 WBCは誰のための大会なのか。

 野球の世界一を決める大会は、米大リーグ機構(MLB)の発案によって始まっています。MLBが世界大会を発足させようとした動機は、国内市場の飽和にありました。国際市場開拓の必要性を痛感し、オリンピックに代わる“真の世界一”を決定する国際大会を作ろうとしたわけです。

 野球が盛んな米国が国際大会を発案することは、ごく自然な流れだと言えるでしょう。しかし、一国が国際大会を掌握してしまったらどうなるでしょうか。

表:WBC運営委員会の構成
所属組織 人数
MLB機構 2名
MLB選手会 2名
国際野球連盟(IBAF) 2名
日本野球機構 1名
日本プロ野球選手会 1名
韓国野球委員会 1名
韓国プロ野球選手会 1名
読売新聞 1名
Chelsea Piers, L.P. 1名

 事実、WBCは米国主導の大会となっています。MLBとMLB選手会が共同出資して「ワールド・ベースボール・クラシック株式会社」(World Baseball Classic, Inc.)を設立し、WBCの大会運営主体として関与しています。

 参加国の決定など、WBC大会運営において主導的な役割を担う「WBC運営委員会」(WBC Steering Committee)では、12人のメンバーのうち、その1/3に当たる4名がMLB関係者で占められています(詳細は右表参照)。読売新聞関係者が入っているのは、同社がアジア地区予選の興行権を持っているからです。

コメント3件コメント/レビュー

WBCの運営がおかしいと言うが、プロの選手が出場することを考えればしょうがない。それよりも、オリンピックにプロ選手が出るほうが問題であり、伝統の喪失である。オリンピックのほうが堕落している。アメリカに3年間仕事で住んだが、シドニーオリンピックの話題など、同僚のアメリカ人はしなかった。それどころか、地元にチームがないスポーツなど、MLBオールスターだろうが、NBAだろうが、まったく興味がない。アメリカ人は地元や故郷のチームの勝ち負け以外、まったく興味がないのである。オリンピックで大騒ぎする日本と、オリンピックではアメリカが優勝する競技以外ほとんどまともに放送しないアメリカでは、オリンピックに対する考え方が違う。オリンピックは選手が優勝して、それによりアメリカで有名になり、大金を儲けるために存在する広告のための大会と言うのが、アメリカにおけるオリンピックの意味である。(2009/02/26)

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「WBC連覇でも、日本球界は浮かばれない?(上)」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

WBCの運営がおかしいと言うが、プロの選手が出場することを考えればしょうがない。それよりも、オリンピックにプロ選手が出るほうが問題であり、伝統の喪失である。オリンピックのほうが堕落している。アメリカに3年間仕事で住んだが、シドニーオリンピックの話題など、同僚のアメリカ人はしなかった。それどころか、地元にチームがないスポーツなど、MLBオールスターだろうが、NBAだろうが、まったく興味がない。アメリカ人は地元や故郷のチームの勝ち負け以外、まったく興味がないのである。オリンピックで大騒ぎする日本と、オリンピックではアメリカが優勝する競技以外ほとんどまともに放送しないアメリカでは、オリンピックに対する考え方が違う。オリンピックは選手が優勝して、それによりアメリカで有名になり、大金を儲けるために存在する広告のための大会と言うのが、アメリカにおけるオリンピックの意味である。(2009/02/26)

野球ファンとして興味深く拝見させていただきました。WBCの運営の仕組みについて疎かった部分を補足することができました。ただ1点記事に補足していただきたい部分があります。中日が球団ぐるみでWBCボイコットしたという部分です。噂、とオブラートに包まれても、大多数の人は事実としてみてしまいかねません。(もっとも、日経BPの読者の方々は事実をちゃんと見抜ける方々ですが)球団は各選手に参加の意思を確認しています。岩瀬投手、森野選手は、もう代表入りの重圧はイヤ、ということで不参加。浅尾、高橋聡、チェン投手は去年1年フル稼働したのが初めての若手で調整方法が難しくなるので不参加。逆に山本昌投手はWBC参加を熱望していましたが、代表に選ばれませんでした。これらの情報、中日選手の言い分はwebを調べれば出てくると思います。一方的な書き方ですと誤った解釈をされる方もおられるという事をわかっていただけたらな、と一読者として切望します。(2009/02/26)

それでも日本人の多くはWBCが世界一を決める大会だと思っています。そのため、これだけ熱狂するのでしょう。ただ、好成績を残しているメジャーリーガーが多く出場辞退する大会で優勝することは世界一と言えるのかは疑問です。サッカーやラグビー、バレーボールなどの他球技でオリンピックに出場辞退する人は非常に少ないです。それだけ世界大会としての重みが他の球技にはあります。今後WBCはそういった世界大会としての地位を確立できるのでしょうか。素朴に疑問です。(2009/02/26)

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