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「企業戦士」たちの苦悩[8]あなたの心が危ない-3 「管理職の責任」を明確に

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2009年3月6日(金)

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 バブル崩壊後の長引く不況で痛んだのは企業だけではない。そこに働く企業戦士たちの心もまた蝕まれていた。世間では時あたかもITバブル。一攫千金で金持ちになったIT長者たちが「勝ち組」と称され、会社の中では実力主義の人事制度が幅を利かせ始めた。日本社会は二極化への道をひた走っていた。その結果、現在日本は年間自殺者数3万人を超える自殺者大国に。働く人間の中に巣食う心の病はいまや、企業にとっても重大な問題となっている。

(注)会社名、肩書きなどは当時のまま

* * *

2000年4月3日号

メンタルヘルスを経営の課題として認識する企業が現れ始めた。
社員全員に心の定期診断を実施し、必要に応じて人事権も発動。
部署内に専任の担当者を置くなど、組織的な対策が急務だ。

 電話相談の窓口を設ける、外部の専門カウンセラーと契約する、管理職研修に取り入れる…。前章で見たように、メンタルヘルスの対策をいくら並べてみても、一方で、社員一人ひとりが心を病んだ同僚を「異常」と捉えてしまう感覚がある限り、どんな対策も「対症療法」以上にはならない。

 従来、メンタルヘルスは福利厚生の領域と位置づけられてきた。だが、メンタルヘルスが社員の欠勤日数や労働意欲など、職場の生産性と密接な関連があることが次第に明らかになるにつれ、社員や管理者への啓蒙教育に力を入れる企業が現れ始めている。

管理者研修で欠勤者が減った三和銀

 三和銀行もその1つ。同社のメンタルヘルス対策を統括する埋忠洋一・東京健康管理センター所長は、メンタルヘルスこそ企業内医療の最大の課題と考えている。「メンタルヘルスの状態を高める最も有効な手段は、社員一人ひとりが早期に対処できる知識とスキルを身につけること。特に管理職にとっては重要だ」と主張する。

 三和銀行は1991年からメンタルヘルスを軸にした「総合対策」をスタート。全国の各支店の副支店長約200人を「健康管理責任者」に任命、年に1回の上長研修で、部下のメンタルヘルス悪化の兆候を見つける心得や、見つけた場合の対処法などを教育している。

 そこで強調するのは「メンタルヘルスの悪化は誰にでも起こるが、それを発見し対処するのは管理職の責任」ということだ。研修を始めてから、「こんな部下がいるが、どうしたらいいだろうか」という相談の電話が、健康管理センターに頻繁にかかってくるようになった。

 一般社員に対しても、節目ごとに自らのメンタルヘルス管理の重要性を説いている。入社時、30歳、35歳、そして50歳の社員には、それぞれ1日かけてメンタルヘルスを中心とした健康管理教育を行う。同時に、独自のテストで日常的に受けるストレスの大きさや生活のストレス耐久度、そして実際のストレス症状を各100点満点で点数化し、本人だけに通知している。

三和銀行の疾患休業日数の推移

 啓蒙教育を開始して1年後、三和銀行では行員の病気による欠勤の合計日数は、前年に比べて心因性のものが7割、一般の病気によるものも2割減った。特に男性の場合は心因性の欠勤、女性の場合には一般の病気による欠勤の減少が目立つ。

 このデータは、メンタルヘルスの問題が、実際には一般の病気との区別が難しいことを示している。「97年にもその後の経過を再度調査してみたが、同じく欠勤の減少が認められた。メンタルヘルス対策が社員の生産性の向上に大きく寄与していることが確認できた」と、埋忠所長は話す。

 生産性の向上だけでなく、リストラによる社員の士気の低下を最小限に抑えたともいえるのが、ゼネコン準大手、熊谷組のメンタルヘルス対策だ。

熊谷組は外部委託の教授が人事介入

 同社は97年から早稲田大学の小杉正太郎教授にメンタルヘルス対策を外部委託している。企業が外部の専門家にメンタルヘルスを委託するケースは珍しくないが、熊谷組のケースが独特なのは、会社の人事に介入する権限を教授に与えたことだった。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長