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「サービスの輸出」に成功した原動力

アジアの街角で「セコムしてますか」

2009年3月5日(木)

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 「豁達」――。警備業大手セコムの社内には、至る所に墨痕鮮やかな達筆で書かれたこの2文字が掲げられている。「フータ」と読むこの2文字の意味するところは「心ひろやかに、明るく、小さなことにこだわらないさま」。セコムの持つ新進の気風をよく表す言葉だ。それは、警備から発して医療、福祉、情報システム、保険など失敗を恐れずに新たな事業に挑戦し続け、永遠のベンチャーたろうとする伸びやかな精神を表す。

 セコムの社内では、萎縮する部下に向けて上司が今も言う。「フータでいこう」。今日その声は、まるで世界同時不況で萎縮する企業社会全体に向けられているかのようにも聞こえてくる。

 このシリーズでは、セコムが挑戦する各事業と、それを切り開く「フータ」な人々を紹介していく。第5回目となる今回は、海外事業を紹介する。特に進出が早かった韓国や台湾では、「セコム」が機械警備サービスの代名詞になっているという。(文中敬称略)

 2月上旬、韓国・ソウルを訪れた。

 ロッテ百貨店をはじめとする大型商業施設や商店が集積する繁華街・明洞(ミョンドン)地区で、記者はぶつぶつ数を数えながら歩いていた。

 この地区では、路面に立ち並ぶ商店の入り口には、必ずと言っていいほど警備会社のロゴ入りシールが張られている。そのほとんどがセコムのロゴが描かれた赤いシールだった。

ソウルでも「セコム」

ソウルでも「セコム」

 ただ、競合他社のシールもある。セコムのシェアが何割に達するのか調べてみようと思い立ったのだ。ポケットに突っ込んだ右手の指でセコムのシールを、左手の指で競合他社のシールを数えてみた。すぐに右手は5を数え、10を数えた。3本の指を折っていてもそれが13なのか18なのか忘れそうになるので、心の中で「さんじゅう、さんじゅう」と繰り返しながら歩いた。いつの間にか実際に呟いてしまったらしく、ファッションを楽しむ若者や店員に奇異な目で見られたりした。

 結果は圧倒的だった。明洞地区の2本の路地で数えたところ、セコムのシェアは7割近い。その気になってソウルの町を歩くと、町中至る所に「セコム」のシールが張られていることに気づく。そのシールの目立つこと、日本以上と言っていい。

 小売り・サービス業など第3次産業は「輸出」が難しく、ドメスティックな(国内型の)産業と言われている。記者もあちこちでそう教わってきた。ところがどうも様子が違う。

 韓国では、競合会社の営業マンがこう言うという。

 「セコムはいかがですか」

 つまり「セコム」という言葉が、企業名やブランド名を超え、「機械警備サービス」を表す代名詞となっているのだ。

創業の追体験

 「何で海外に出るんだと思う?」

 セコム社長の原口兼正は、海外事業について水を向けるとこう逆質問してきた。記者という人種のご他聞に漏れず、聞くのは得意だが聞かれるとシドロモドロになる。

 「儲かる、というか、儲かる可能性があるからじゃないんですか」

 と、我ながらつまらない答えを返したが、むしろその模範解答を原口は待ち構えていたのだろう。「もちろん、それもある」と肯定しつつ、こう続けた。

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「「サービスの輸出」に成功した原動力」の著者

池田 信太朗

池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

日経ビジネスオンライン編集長

2000年に日経BP入社。2006年から『日経ビジネス』記者として、主に流通業界の取材に当たる。2012年『日経ビジネスDigital』のサービスを立ち上げて初代編集長、2012年9月から香港支局特派員、2015年1月から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士