• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

投資銀行に任せられないM&Aの本質

買収当事者だからこそできる緻密な青写真作り

  • 新貝 康司

バックナンバー

2009年3月16日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回から読む)

 M&A(合併・買収)は、1+1を2ではなく、3にも4にもしていくための手段です。そのために、最要なポイントとは何でしょうか。

 CFO(最高財務責任者)在任中、潤沢な手元現預金の使途として、M&Aの可能性について、投資銀行、投資家など外部から質問や意見を数多く受けました。その中には、正直、会社のM&Aを商品の売買と錯覚しているのではないかと思いたくなる意見もありました。

事業のコアコンピタンスと「人材」の理解が重要

 自身で事業を成功に導くコアコンピタンス(価値を産み出す中核となる競争力)や事業のMomentum(勢い)を持たずして、M&Aを実行しても、1+1が単に2になるだけ、いや下手をすると2未満にすらなってしまいます。M&Aは、時間を買うために実行するのです。しかし、時間を買うつもりが、時間を浪費しかねないリスクを伴っているのです。

 なぜなら、日々、顧客のニーズと競争し、他社と競争しているうえに、M&Aに伴う統合という更なる負荷を背負うからです。いくら外部からM&Aをはやし立てられても、誰かがM&Aに伴う統合作業をしてくれるわけではありません。

 今いるわれわれ一人ひとりにその負荷が重畳してくるのです。競争他社から見ると、われわれのM&Aは、一見脅威ですが、われわれの日々の仕事に隙が生じかねないため、チャンスでもあるわけです。

 特に重要な点が人的側面にあります。M&Aは究極の経験者採用です。それも大量の採用です。ここに大きなチャレンジがあります。なぜなら異なる文化を背負った数多くの人材が、突然仲間になるからです。実際英ギャラハーの買収以前、海外たばこ事業の社員は1万2000人でしたが、この買収で社員は2万3000人とほぼ倍増しました。

 さらに、人的側面では大きなハードルがあります。それは、買収発表まではわずか20人そこそこの社内チームで準備してきたプロジェクトが、買収発表後一気に2万3000人を巻き込んだ作業に変貌するという事実です。

 買収側も被買収側も、突然知らされた大多数の人は、買収後自分がどうなるのか、職はあるのか、昇進するのか降格になるのか、様々悩み始めます。最悪の場合、日々の仕事どころではなくなるのです。

 したがって、自らの事業とそのコアコンピタンス、勢いをよく理解し、また、事業を支えているキーとなる人材を理解することが、M&Aを成功させる秘訣です。つまり、少々の擾乱があってもびくともしない事業の勢いが、自らにあるのかどうかを見極めること、そして、M&Aをした後、どう人をリードすることで、ネガティブな結果を回避し、成果を上げることができるのかを洞察することが重要です。

コメント0

「危機の中で明日を拓く CFO“新論”」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

機械を売るんじゃなくて、電気が欲しい方に電気が起きる装置をソフトも含めて売るビジネスをしていこうと。

田中 孝雄 三井造船社長