「同世代リーダーに聞く〜「体にいい経営術」」

圧力マネジメントから、「脱力経営」へ

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)柴田励司COO【1】

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2009年3月27日(金)

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 経営とは、つまるところ体の問題である。

 ぎりぎりの状況下での判断、分刻みでの感情の切り替え、そして土壇場での振る舞い。土気色のリーダーにそれがこなせるだろうか。すべて、健康な体が土台にあってのことだ。

 だが、リーダーは忙しい。体調に顧慮する余裕などあるのだろうか?

 実は逆だ。リーダーが不健康な状態に陥る組織は、内部に重大な問題を抱えている。言い換えれば、健全な判断をリーダーが下せる組織は、優れた経営システムを持っている、と言っていい(もちろんこれは、リーダーが部下に全てを押しつけて安楽に暮らすという馬鹿げた話ではない。そんな組織はモラルハザードを起こし、すぐ崩壊する)。

 日々激務をこなしつつ、自らの体をマネジメントし、それを組織全体の健全さに結びつける工夫を、40代を中心とした若手経営者たちに聞いてみよう。

 連載の第1クールは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のCOO(最高執行責任者)、柴田励司氏。5回にわたってお届けする。


  • (写真:大槻 純一)
  • 柴田 励司(しばた・れいじ)

    上智大学卒業、在オランダ日本大使館、京王プラザホテルを経て、1995年、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年より日本法人のCEOとなる。2007年に同社CEOを退任し、キャドセンターのCEOを務めた後、2008年6月よりカルチュア・コンビニエンス・クラブのCOO。

――以前も大変そうでしたけれど、さらにお忙しくなったんじゃないですか。というのも、かつて経営に当たられていた2つの会社は、従業員数が100人前後、現在COOを務めていらっしゃるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)は、グループ会社をあわせると3000名を超える企業です。

柴田 今は人生の中でいちばん忙しいですね。この日月火は、高松と高知をまわってから、岡山経由で広島に寄って東京へ帰って来ました。なにしろ全国に支社や支店がありますから。いずれにせよ、同じ場所にほとんどいません。だから、自分専用の個室もないんですよ。

――会社に柴田さんの部屋がないと?

 ええ。最初に「いらない」と言ったんです。ひとつの場所に長い時間いることはほとんどない。それなら部屋を持っておくことが無駄ですから。会社にいるときによく使う会議室はあるんですが、それもただの会議室です。

――ということは、自分のデスクもないんですよね。不便じゃないですか。

 僕は前々職でも前職でも自分専用の個室があって、そういう働き方に慣れていたんですが、実は今の方がだんぜん楽です。自分の部屋なんてない方がいい。

 自分の個室を持っていると、いつもそこに戻ってきて、こもっちゃうでしょう。ひとつの場所に居ついて、アクティブでなくなってしまう。余計な資料もたまってしまいますしね。

――資料を取っておいたりしないんですか。

 よっぽどの理由がないと、すぐにシュレッダーにかけてしまいます。ファイリングすることもあまりないです。大事なものはサーバー上に保存していますから。僕は基本的にいつも鞄1個。それがとても楽です。

鞄ひとつでマネジメントがこなせるのは・・・

――そう言われると、社長の個室なんていらない気がしてきますね。なぜ社長や役員が個室を持つことが当たり前になっているんでしょう。

 やはりステータスの一部なんじゃないでしょうか。最上階の個室は、ピラミッドの頂点を暗示しているようでもあります。

――一番上のフロアにいる自分が一番偉いんだ、と。

 社長や役員が個室を持っていると、そこに社員を呼びつけるというかたちになりがちですね。しかし、「事件は現場で起きている」じゃないですが、現場が顧客価値をつくっている源泉ですから、どっちが偉いかというと、現場の方が偉い。だから、僕の方から出向く。鞄1個であちこちまわっているんです。

――移動中は何をしていらっしゃいますか。

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著者プロフィール

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス、日経クリック、日経パソコン編集を経て、2006年2月から日経ビジネスオンライン副編集長、編集委員を務めた後、2010年4月から日経ビジネスアソシエ副編集長。ツィッターはこちら

奥原 剛(おくはら・つよし)

1974年、大阪生まれ。PHP研究所を退社後、フリーランスライターに。執筆業の傍ら、東京都台東区で「操体レクリエーション」を開業し、気持ちよさで身心の治癒を促す医術「操体法」の施術・講習を行なっている。



このコラムについて

同世代リーダーに聞く〜「体にいい経営術」

 経営とは、つまるところ体の問題である。

 ぎりぎりの状況下での判断、分刻みでの感情の切り替え、そして土壇場での振る舞い。土気色のリーダーにそれがこなせるだろうか。すべて、健康な体が土台にあってのことだ。だが、リーダーは忙しい。体調に顧慮する余裕などあるのだろうか? 実は逆だ。リーダーが不健康な状態に陥る組織は、内部に重大な問題を抱えている。言い換えれば、健全な判断をリーダーが下せる組織は、優れた経営システムを持っている、と言っていい(もちろんこれは、リーダーが部下に全てを押しつけて安楽に暮らすという馬鹿げた話ではない。そんな組織はモラルハザードを起こし、すぐ崩壊する)。

 日々激務をこなしつつ、自らの体をマネジメントし、それを組織全体の健全さに結びつける工夫を、40代を中心とした若手経営者たちに聞いてみよう。

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