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「タテ」よりも「ヨコ」を強めて生まれる新しい価値

  • 常盤 文克

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2009年3月30日(月)

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 昨年のリーマンショックに端を発した金融危機の話題になると、決まって出てくるのが「100年に1度の」とか「戦後最大の」といった枕詞です。人々はこの言葉を2つの意味に使い分けているように思います。1つは、100年に1度だ、戦後最大の危機だから仕方がないという言い訳です。

 さらに「あのトヨタまでもが」といった具合に続き、自分たちの仕事がうまくいかないときの免罪符に使っています。このような文脈で「100年に1度」を語る人たちは、一般的に消極的で内向き志向になっているのです。いま、どの企業も事業の見直しを迫られていますが、その様子を見ていると、従来の組織や仕事の枠組みをそのままにして、事を進めようとしています。これでは、何の変革も進化も起きません。

 もう1つは、「100年に1度」の危機だからこそ、新しい仕組み作りに挑戦しよう、という積極的で外向き志向の発想です。本気で新しいことに取り組もうとすれば、従来の制度やルール、仕事の枠組みなどを変えなければなりません。今の仕組みのままひたすら「回復」を待つのではなく、自ら新しく生まれ変わる「新生」が求められます。重要なのは、旧来の仕組みを大きく変えること、すなわち「タテよりもヨコを強化する」ことです。

タテ割り組織のままでは危機を脱しえない

 最近の企業は事業のセグメント化や多角化を進めて、どんどん組織をタテ割りにしてきました。カンパニー制を導入したり、事業部門を細分化したり、持ち株会社の下にいくつもの事業会社をぶら下げる構造にしたりする企業が少なくありません。

 カンパニーや事業部に独立性を持たせて互いに競わせたり、採算性を向上させたりする狙いがあると言われてきましたが、その反面、組織としての一体感が欠けてしまう弱点があります。他事業部門の動きに関心を持たず、自分たちだけで何とかやっていこうとする、ある意味で自己中心的な部分も目に付くようになります。その結果、部分最適に陥ってしまうのです。

 これでは企業としての一体感など期待できませんし、ましてやこの苦境を乗り切るなど難しいでしょう。タテ割りの組織は、事業全体が伸びているときはいいのですが、勢いが衰えると力が分散してしまい、企業としての総合力を発揮できなくなるおそれがあります。 

 こうした状況を脱するには、タテ割りの組織をヨコにつなげる仕組みを作る必要があります。タテ割りで見て、特定の部門やグループだけが強くても、企業全体の強さにはつながりません。例えば、研究開発部門が優れた技術力を持っていたとしても、マーケティングや販売部門が弱ければ、せっかくの技術が宝の持ち腐れになってしまいます。それどころか、弱い部分が全体の足を引っ張ってしまうのです。

 だからこそ、企業は事業部単体の優劣の問題で片付けるべきではありません。さらには人事や総務、経理、財務などすべての部門をヨコから見つめ直し、各部門が組織としてバランスが取れているか、相互作用がきちんと働いているか、総合力を発揮できる仕組みができているか――などを、再確認する必要があります。一部門の狭い範囲に閉じこもらず、もっと他部門と、さらには外部の他企業とも積極的に接して、ヨコの絆を強くしていくことが求められます。

 例えば、自動車の開発を考えてみましょう。

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