「日経ビジネスマネジメントリポート」

ハーレーダビッドソンは脳に心地よい

ニューロマーケティング〜話題の新手法の実力【その7】

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2009年3月28日(土)

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 商品やサービスのコモディティー(汎用品)化が進み、国内の消費が低迷する中、ブランド力によってファンを増やし購入を促す重要性が高まっている。

 そうしたブランドの成功例としてよく名前が挙がるのが、米オートバイメーカーのハーレーダビッドソンだ。

 根強い人気を誇るこのブランドは、ファンの潜在意識においてほかの強力ブランドとは異なる受け止め方をされている――。

 こんな事実が、大手広告代理店の博報堂DYホールディングス2433が実施したニューロマーケティングの実験で判明した。企業のブランド戦略のあり方を再考する1つのきっかけになりそうだ。


 強力なブランドの代表的な存在であるハーレーダビッドソン。このオートバイメーカーは、広告宣伝や販促などのマーケティングにおいても独特だ。

 ほかのオートバイメーカーのように、製品の機能や性能を強調したりはしない。他社の製品との価格の違いを訴求することもない。

 実際、機能や性能を比べたら、ホンダ7267やヤマハ7272といった日本メーカーのオートバイの方が恐らく上だろう。にもかかわらず、価格はハーレーの方が総じて高い。それでも、国内外に熱狂的なハーレー愛好者が存在する。

独特なマーケティングを展開するハーレー

 その理由の1つとして、ハーレー本社公認のファンクラブ「ハーレーオーナーズグループ」がよく挙げられる。全世界で110万人以上とも言われるこのファンクラブの会員は、様々な特典プログラムやイベントに招待される。国内でも毎年、「富士ブルースカイヘブン」と呼ばれる大規模なイベントが開かれ、数万人が参加している。

 こうしたイベントなどを通じてファン同士が連帯感を持ち、ブランドへの愛着を一層強める。これがハーレーのブランド力の源泉になっていると言われてきた。

 この特異なブランドに対してファンが愛着を抱くメカニズムを、ニューロマーケティングの手法で解明する──。博報堂はこうした課題に挑み、3月中旬に結果を発表した。

 ニューロマーケティングとは、脳科学のアプローチを応用して人間の消費にかかわる心理や行動を解明しようとする新たな試みだ。2004年頃から欧米で盛んになり、日本でもここ1〜2年の間に具体的な取り組みが見られるようになっている。

 具体的には脳の内部をスキャンする各種の測定機器を使って、製品や広告などに対する人間の脳の反応を計測する。グループインタビューやアンケートといったこれまでの調査方法では把握しきれなかった消費者の潜在意識における反応を解読するのが狙いだ。

違いが出た“ライバル”に対する反応

 博報堂は実験で、ブランドに関係する画像を見た時にファンの脳のどの部位が活性化するかを調べた。

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著者プロフィール

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス記者。日経アーキテクチュア、日経コンストラクション、日経ビズテックの記者を経て、2005年12月日経ビジネス記者。2010年4月から現職。

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