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逃れられない“資本の論理”を痛感

いつの日か再挑戦する――熱い思いを残した買収劇

  • 新貝 康司

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2009年3月30日(月)

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 時間をさかのぼり、1988年10月の出来事です。当時世界3大たばこ企業の1つ、RJRNabisco社が突如170億ドル(当時の邦貨換算2兆2000億円)でMBO(Management Buyout=経営陣による企業買収)を発表しました。長らくRJRNabisco社は株価低迷に悩み、その対策として、結局この手段に訴えたのです。

資本の論理との出会い

 しかし、その後複数の対抗買収提案が出され、結局、Private Equity Fund(プライベートエクイティ=未公開株=ファンド)で有名なKKR (Kohlberg Kravis Roberts & Co.)が、総額250億ドルで、LBO(Leveraged Buyout=借り入れで資金量を増やした買収)つまり、被買収会社の資産を当てにした資金調達によって、買収するという結末になったのです。この価格は、1株当たり108ドルに相当し、それまでの1株30ドル台であった株価の約3倍もの買収価格となりました。

 実は、さらにさかのぼること数カ月、同じ88年春に、RJRNabisco社から日本たばこ産業(JT)に対して、米国以外の海外たばこ事業会社RJRInternational社(以下RJRI)を買わないかという打診があり、私はその検討に携わっていました。数カ月に及ぶ様々な検討を経て、JTは買収しないとの結論に至りました。

 その返答後間もない時期に、このMBO提案がなされたことは、正直、大変な驚きでした。と同時に、同じ業界で起きたこの巨額買収を、大変身近なものに感じずにはおれませんでした。会社が誰によって所有されているのか、誰のために存在しているのかを考えさせられる大きなきっかけとなりました。

 余談ですが、LBO後の経営を担ったRJRNabisco社のCEO(最高経営責任者)は、その後米IBMをターンアラウンドさせた立役者ルイス・ガースナー氏です。LBOの借金を背負わされたRJRNabisco社はその後、借り入れ返済のために、デルモンテ等の有名ブランドを切り売りすることになります。また、このLBOがあったからこそ、JTは、一連の資産切り売りの動きの中で、いったんは買収を断念したRJRIをRJRNabisco社から、買収することができたとも言えます。このLBOの11年後の99年のことでした。

 一方、米国勤務時代の92年に、社外取締役を務めていた提携先のバイオベンチャーが米ナスダック市場に上場。私は小なりとは言え米国上場企業の取締役として、その経営に参画しました。株主価値向上やコーポレートガバナンス(企業統治)という、当時日本ではまだ言葉も定着していなかったことに取り組むという、稀有な経験を積むことができたのです。88年の出来事、そして米国時代の経験は、言わば資本の論理との出合いだったと言えます。

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