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生みの苦しみを越えた介護事業
外食のノウハウで変革起こす

ワタミ

  • 井上 健太郎

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2009年4月15日(水)

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居酒屋チェーンのワタミの介護事業が軌道に乗ってきた。
しかし、新規参入当初は、現場スタッフの相次ぐ離職など決して順調ではなかった。
その原因を、現場との意思疎通の無さと痛感したワタミは、人望があった外食のエースを投入。これが奏功し、業界では常識ではなかったマネジメントが定着しつつある。(文中敬称略)

<日経情報ストラテジー 2007年10月号掲載>

プロジェクトの概要

 経営難に陥った病院に渡邉美樹社長が個人出資したことをきっかけに、ワタミメディカルサービスという子会社を設立して、訪問介護事業に参入したのが2004年。だが、訪問介護は採算確保が厳しいことが分かり、後継者難から売却先を探していた神奈川の「アールの介護」を2005年3月に73億円で買収して、老人ホーム事業に軸足を移した。2005年秋にはてこ入れのため外食のエースを投入。サービス改善や、ホーム長に経営感覚を持たせる意識改革に取り組んだ。2006年4月にワタミメディカルサービスとアールの介護を合併させ「ワタミの介護」として独立。2006年7月から新規ホームを開設し始め、入居率85%以上を目指した。介護事業の決算期である2007年2月期はホーム数が21に対して1174人が入居しており、入居率は94.7%に達した。現場のスタッフ数は約1700人(パート、アルバイト含む)に上る。

食事時間に積極的に話し相手になるのもホームのスタッフの重要な役割。こうしたホスピタリティーが高い入居率を支える。右下は、ワタミが2006年7月に開設したレストヴィラ十日市場 (写真:稲垣純也、以下同)

 ワタミは2007年3月期の決算で6期ぶりに経常利益の最高益を更新した。この好決算は、経常利益が前期比3%増にとどまった外食産業によってではなく、2005年に参入した老人ホーム事業の急速な立ち上がりによるものが大きい。

 ワタミは2004年に訪問介護事業に参入したが採算が厳しいため、2005年からは老人ホーム事業に注力した。2005年3月に売り上げ30億円規模の神奈川の老人ホーム事業会社「アールの介護」を73億円で買収。それからわずか2年後の2007年3月期決算で介護事業の経常利益は9億7700万円となり、外食事業の約3分の1の利益を確保した。

渡邉美樹は2004年から介護事業を手掛け、2005年3月に73億円で老人ホーム事業会社を買収した

 ワタミ社長の渡邉美樹には2005年の参入当初から事業を軌道に乗せる自信があったという。介護の実情を知るうちに、介護の現場に変革を起こせると確信していたからだ。

 まずはサービスの改善だ。「作りだめの冷めた食事」「おかずをまとめてミキサーにかけた流動食」「4人まとめての入浴」――買収した老人ホームでの実態を真っ先に否定した。食事は入居者が案内されてから調理を開始して温かいものを出すよう命じた。焼き魚や天ぷらなどをミキサーにかけた場合でも、寒天やゼラチンでおかずごとに固めて風味を足したうえで盛り付ける方法を外食事業のスタッフに考えさせた。風呂は浴槽が小さくても一人ひとりが入るべきだとして、 1人30分程度ずつ入浴してもらうようにした。

 サービス改善の次は、老人ホームに欠けていたマネジメントの導入だ。その1つが、スタッフの要員計画(ワークスケジュール)の導入。2週間程度先まで要員を計画する作業をホーム長にやってもらう。まず本部サイドで作成例を配布し、それをベースに回してもらうようにした。

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