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会社の履歴書【2】パナソニック

ソフトが拓く松下AV革命-ファミコンから映画まで 1

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2009年4月15日(水)

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 バブル崩壊後、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、大きな「変革」を余儀なくされた。金融部門の痛みは、日本企業の成長を支えた間接金融の縮小、株式の持ち合いの解消を迫り、急速に進展したグローバル化は終身雇用、年功序列の終焉をもたらした。その中で問われたのは企業の変革能力である。劇的に変化する外部環境にどう対応し、組織をどう変えていくのか。それに成功した企業もあれば、依然として対応し切れない企業もある。企業が「失われた15年」をどう生きたのか。1991年以降、「日経ビジネス」で取り上げた日本の代表的な企業の記事を「会社の履歴書」として取り上げる。
(文中の肩書き、名称などは掲載当時のままです)

パナソニック(旧松下電器産業)

 米ハリウッドの映画・娯楽会社MCMの買収――。パナソニック(旧松下電器産業)の1990年代は、エレクトロニクスというハードだけの会社からソフトまでを囲い込もうとする大きな路線転換から始まった。創業者の松下幸之助氏の死去以降、脱創業家を進めてきた当時の経営陣にとって、この路線転換は幸之助氏の路線からの決別でもあった。

 だが、その新路線はあえなく潰える。映画会社との企業風土の違いを乗り越えられず、その後のゲーム機開発も失敗。以降のパナソニックはまた、長い低迷の時期を迎えた。

 だが今、パナソニックは息を吹き返した。中村邦夫前社長の改革が奏功し、社内は活性化。中村改革はパナソニックへの社名変更で完結した。新生パナソニック誕生までの軌跡を振り返る。

* * *

1991年1月14日号より

モノ作りの「幸之助路線」と決別MCA買収で社風が変わる

松下電器産業がハリウッドの映画・娯楽会社、MCAを買収、AV(音響・映像)ソフト事業に乗り出す。これでハイビジョン時代を睨んだAVの覇者の座を巡るソニーとの競争に向けて体制が整う。

新AVメジャーの誕生である。ハイビジョンなど高画質、高音質のAV製品の普及はソフトの支援が不可欠。ハードとソフトを併せ持つ松下、ソニーの動向は家電メーカーだけでなく、エンタテインメントビジネスに大きな影響を及ぼす。

「もの作りに徹する」との創業以来の方針から脱し、ソフト事業に参入した松下は、故・幸之助氏の経営路線との決別に弾みがつきそうだ。

=文中敬称略(野中 高秀、長妻 昭、長崎 隆司)

 1月7日に大阪府門真市にある松下電器産業のVTR工場では正月恒例の、初荷式が行われた。だが、工場ではトラックに積むVTRを確保できるのかと前日まで心配し通しだった。

 工場の主力製品のBS(衛星放送)チューナー内蔵型VTR「BS900」は需要好調で、月間3万台生産している。しかし、受注残約1カ月分を抱え、初荷に回せない恐れもあったからだ。「2年連続マイナス成長の国内VTR市場の状況は依然厳しいが、BS内蔵タイプは久しぶりのヒット商品で今後、雪だるま式に需要が増えるのは確実」と中田正雄ビデオ事業部長。

 年末、年始のパーティーで松下首脳陣の顔が明るくなったと業界関係者は言う。BS内蔵VTRのように、松下が最も強みを発揮する家電分野でヒット商品がようやく出始めたからだ。

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