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会社の履歴書【2】パナソニック

ソフトが拓く松下AV革命-ファミコンから映画まで 2

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2009年4月16日(木)

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 バブル崩壊後、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、大きな「変革」を余儀なくされた。金融部門の痛みは、日本企業の成長を支えた間接金融の縮小、株式の持ち合いの解消を迫り、急速に進展したグローバル化は終身雇用、年功序列の終焉をもたらした。その中で問われたのは企業の変革能力である。劇的に変化する外部環境にどう対応し、組織をどう変えていくのか。それに成功した企業もあれば、依然として対応し切れない企業もある。企業が「失われた15年」をどう生きたのか。1991年以降、「日経ビジネス」で取り上げた日本の代表的な企業の記事を「会社の履歴書」として取り上げる。
(文中の肩書き、名称などは掲載当時のままです)

パナソニック(旧松下電器産業)

 米ハリウッドの映画・娯楽会社MCMの買収――。パナソニック(旧松下電器産業)の1990年代は、エレクトロニクスというハードだけの会社からソフトまでを囲い込もうとする大きな路線転換から始まった。創業者の松下幸之助氏の死去以降、脱創業家を進めてきた当時の経営陣にとって、この路線転換は幸之助氏の路線からの決別でもあった。

 だが、その新路線はあえなく潰える。映画会社との企業風土の違いを乗り越えられず、その後のゲーム機開発も失敗。以降のパナソニックはまた、長い低迷の時期を迎えた。

 だが今、パナソニックは息を吹き返した。中村邦夫前社長の改革が奏功し、社内は活性化。中村改革はパナソニックへの社名変更で完結した。新生パナソニック誕生までの軌跡を振り返る。

* * *

1991年1月14日号より

松下、ソニーが目指すハイテク・エンタテイメント制覇

松下にだってソフト事業ができる。「金は出すが口をださない」やり方でMCAを経営する。日本ビクターという味方もいる。

「新AVメジャー」となった松下、ソニーの狙いはハイビジョンやハイテク・エンタテイメント市場の制覇。ハリウッドを舞台に両社の対決が始まった。

=文中敬称略(野中 高秀、長妻 昭、長崎 隆司)

MCAを本当に経営できる?
トップと優秀な人材を押さえた秘かな自信

 「松下にMCAのようなソフトの会社を経営できるのかと皆さんご心配になってますが、その通りなんです」。買収交渉にあたった平田松下電器副社長は12月20日に東京で記者会見し、こう明言した。松下にソフトがわかる人材がいないことを告白するような発言に、会場には笑いが渦巻いた。

「ご心配の通りです」
本心は計算づくめの松下流経営

 だが、これは松下の本心ではない。松下はソニーによるコロンビア映画経営の先例を研究、松下流にソフトビジネスを経営する手法を確立しようとしているのだ。

 松下が手に入れたMCAはエンタテイメントの複合企業。その柱が「ジョーズ」「E.T.」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(いずれもスティーブン・スピルバーグ監督・製作)などの大ヒットを飛ばしたユニバーサルを中心とする映画部門(売り上げの46%)と音楽部門(同23%)。ハリウッドとフロリダの2カ所にテーマパークも持つ。

 最近の業績は安定している。1989年度の売り上げが33億8200万ドル。ここ5年間の平均営業利益率は10.9%という高収益を誇る。

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