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会社の履歴書【2】パナソニック

松下王国の試練-成熟の壁を越えられるか 4

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2009年4月22日(水)

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 バブル崩壊後、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、大きな「変革」を余儀なくされた。金融部門の痛みは、日本企業の成長を支えた間接金融の縮小、株式の持ち合いの解消を迫り、急速に進展したグローバル化は終身雇用、年功序列の終焉をもたらした。その中で問われたのは企業の変革能力である。劇的に変化する外部環境にどう対応し、組織をどう変えていくのか。それに成功した企業もあれば、依然として対応し切れない企業もある。企業が「失われた15年」をどう生きたのか。1991年以降、「日経ビジネス」で取り上げた日本の代表的な企業の記事を「会社の履歴書」として取り上げる。
(文中の肩書き、名称などは掲載当時のままです)

パナソニック(旧松下電器産業)

 米ハリウッドの映画・娯楽会社MCMの買収――。パナソニック(旧松下電器産業)の1990年代は、エレクトロニクスというハードだけの会社からソフトまでを囲い込もうとする大きな路線転換から始まった。創業者の松下幸之助氏の死去以降、脱創業家を進めてきた当時の経営陣にとって、この路線転換は幸之助氏の路線からの決別でもあった。

 だが、その新路線はあえなく潰える。映画会社との企業風土の違いを乗り越えられず、その後のゲーム機開発も失敗。以降のパナソニックはまた、長い低迷の時期を迎えた。

 だが今、パナソニックは息を吹き返した。中村邦夫前社長の改革が奏功し、社内は活性化。中村改革はパナソニックへの社名変更で完結した。新生パナソニック誕生までの軌跡を振り返る。

* * *

1992年12月14日号より

 下がり続ける営業利益率、相次ぐ不祥事、情報家電への出遅れ。松下電器産業が危機に直面している。ビジョンなき系列店政策、事業部本位の縦割りシステム、家電モノカルチャーの弊害など、問題は山積だ。谷井昭雄社長は「経営構造革新プラン」を提唱、家電市場が成熟化しても利益を出せる体質作りを目指す。しかし、より具体的な対策が必要だ。松下はエクセレントカンパニーとして復活できるのか。

(桜井 敏昭、石井 智明、松平 由美子)

異文化吸収に活路求める
“家電の松下”は過去の顔 システム事業が社風を変える

家電以外のシステム事業分野が着実に成長してきた。成熟から脱却する糸口になるかもしれないが、この分野を伸ばすためには硬直化したこれまでの組織に、メスを入れなければならない。

 単独の売上高で5兆円に迫り、連結(対象会社は315社)で7兆円(いずれも1992年3月期)を超える松下電器の実態は「さまざまな事業領域の会社が寄り集まった複合体」(平田取締役)だ。

 実際、「家電の松下」というイメージすら、もはや正確ではなくなりつつある。92年3月期の売上高構成比でみると、映像機器、音響機器、家庭電化機器のいわゆる民生分野の合計は43%と半分を切っている。その分、情報産業機器、電子部品といった業務用分野が力をつけてきている。

 92年3月期における営業本部別の前年比売上高の伸びはリビング営業本部(家電関連)が1%。これに対し、HALS営業本部(建築エレクトロニクス関連)は7%、システム営業本部(情報通信関連)が10%と、非家電分野が高い伸びを示している。

 92年9月中間期には、情報産業機器の売上高(6240億円)が、初めて映像機器と音響機器の合計額(5863億円)を上回った。出遅れていたとのイメージが強かった松下電器の情報通信分野が、同社の顔であるAV分野を抜いたわけだ。

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