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会社の履歴書【2】パナソニック

松下王国の試練-成熟の壁を越えられるか 3

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2009年4月21日(火)

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 バブル崩壊後、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、大きな「変革」を余儀なくされた。金融部門の痛みは、日本企業の成長を支えた間接金融の縮小、株式の持ち合いの解消を迫り、急速に進展したグローバル化は終身雇用、年功序列の終焉をもたらした。その中で問われたのは企業の変革能力である。劇的に変化する外部環境にどう対応し、組織をどう変えていくのか。それに成功した企業もあれば、依然として対応し切れない企業もある。企業が「失われた15年」をどう生きたのか。1991年以降、「日経ビジネス」で取り上げた日本の代表的な企業の記事を「会社の履歴書」として取り上げる。
(文中の肩書き、名称などは掲載当時のままです)

パナソニック(旧松下電器産業)

 米ハリウッドの映画・娯楽会社MCMの買収――。パナソニック(旧松下電器産業)の1990年代は、エレクトロニクスというハードだけの会社からソフトまでを囲い込もうとする大きな路線転換から始まった。創業者の松下幸之助氏の死去以降、脱創業家を進めてきた当時の経営陣にとって、この路線転換は幸之助氏の路線からの決別でもあった。

 だが、その新路線はあえなく潰える。映画会社との企業風土の違いを乗り越えられず、その後のゲーム機開発も失敗。以降のパナソニックはまた、長い低迷の時期を迎えた。

 だが今、パナソニックは息を吹き返した。中村邦夫前社長の改革が奏功し、社内は活性化。中村改革はパナソニックへの社名変更で完結した。新生パナソニック誕生までの軌跡を振り返る。

* * *

1992年12月14日号より

 下がり続ける営業利益率、相次ぐ不祥事、情報家電への出遅れ。松下電器産業が危機に直面している。ビジョンなき系列店政策、事業部本位の縦割りシステム、家電モノカルチャーの弊害など、問題は山積だ。谷井昭雄社長は「経営構造革新プラン」を提唱、家電市場が成熟化しても利益を出せる体質作りを目指す。しかし、より具体的な対策が必要だ。松下はエクセレントカンパニーとして復活できるのか。

(桜井 敏昭、石井 智明、松平 由美子)

横断組織が底力引き出す
権限持たせ製品開発 事業部制の弊害除け

縦割りの事業部の壁を打ち破ろうと、関連会社も含めた横断的な開発体制を導入した。長期的視野に立った戦略技術育成や新分野製品の掘り起こしが今後の課題だ。

 松下電器はこのほど、中長期的な視点で製品開発を進める「全社社長プロジェクト」の候補を決めた。このプロジェクトは全社の横断的な開発チームとして、必要なスタッフ、資材を集め、資金も本社が持つ。原則として製品開発は事業部が責任を持つ松下では、画期的な試みだ。

 候補になったのは、マルチメディア関連と電気自動車。松下ではこれによって新分野に進出し、松下の新しい顔を作りたい、としている。今回決まった二つを含め、来年以降、合わせて3~4件のプロジェクトが動き出す予定だ。

 松下はここ2~3年、これまでの事業部制の殻を打ち破るような商品開発の体制作りに着手している。全社社長プロジェクトもその一環だ。1990年に始めた「全社新製品プロジェクト」も、それまでにない新しい商品企画の制度だ。これを発展させ上位に位置付けたのが全社社長プロジェクトだ。

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