• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

情報漏えいを反省しモラル強化へ
「誠実なプロ集団」への自覚促す

ジャパネットたかた

  • 井上 健太郎

バックナンバー

2009年4月22日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

2004年3月に顧客情報漏えいが発覚して、49日間、営業活動を全面的に自粛した。
機会損失により2004年の売上高は前年割れしたものの、2005年は過去最高の売り上げに。
信頼回復のプロジェクトを進める陰で、経営トップは、若手社員中心の組織におけるモラル向上に心を砕いていた。 (文中敬称略)

<日経情報ストラテジー 2006年10月号掲載>

プロジェクトの概要

 テレビ通販会社、ジャパネットたかた(長崎県佐世保市)は主力業務であるテレビ・ラジオ通販を2004年3月9日に突然、自粛した。この日、同社は「顧客情報が漏えいした」と発表。営業停止期間は49日間に及び、この間、約150億円の機会損失を招いた。

 犯人は元社員2人で同年6月末に逮捕。情報漏えいの背任罪は公訴時効が成立し、12月に商品の窃盗罪について有罪判決が下された。

 同社は対策および捜査の進ちょくに伴い、4月にテレビ番組、5月にネット通販、11月にカタログ発送を順次再開。幸い、会社の売上高は2005年、飛躍的に伸びた。

 だが高田明社長の心には、組織作りのミスから会社存続が危ぶまれる事態を招いた危機感が今も重くのしかかる。20代が多い社員の心を動かす高田社長の長い挑戦が始まった。

朝9時半からの生放送中に、若い社員の司会ぶりをスタジオ隅のブラウン管越しにじっと見つめる社長の高田明 (写真:矢野豊、以下同)

 ジャパネットたかたの高田明社長といえば、誰もが、テレビに映るはつらつとした姿を思い浮かべるだろう。明るく語りかけるかん高い声。まっすぐな眼差し。分かりやすく商品の特徴を説明する朴訥(ぼくとつ)とした語り口。そこには、仕事の悩みも家庭の悩みも一瞬忘れさせて視聴者の視線を引き寄せるさわやかさがある。「あの番組が始まると歌に合わせて子供が踊り出す」という手紙が同社にはしばしば寄せられるという。

 だが今、経営者としての高田は「自分自身が憔悴しきっている瞬間をこの年(57歳)になって初めて感じるんです。僕はあまり疲れない人間だったんですが」と打ち明けるほど、重く時間のかかる課題に向き合っている。

 2004年3月9日、同社は個人情報の漏えいを公表した。1998年7~9月当時のリストだと推定された。当時の顧客データベースにアクセスできた社員は、元社員も含めて6人。漏えい規模は少なくとも当時の顧客の半数の30万人分以上を超えると推定された。

会社を大きくすることが目標ではない

社長の高田明。2004年の個人情報漏えい時に営業自粛の決断を下し反響を呼んだ

 事件を知った晩、高田と妻で副社長の惠子は2時間ほど話し合った。「漏えい規模も犯人も何も分かっていない状態で売り続けるべきではない」──営業自粛について、2人はすぐに意見が一致した。もし1年間自粛することになったとしても、また一からやり直せばいいじゃないか。「お客様と周囲が幸せになれば十分。会社を大きくすることが目標じゃない」と常々公言してきた。目先の売り上げにとらわれて顧客と周囲の信頼を失うことこそ高田にとって最も耐え難いことだった。

 高田は惠子と常務執行役員である吉田周一の3人だけの役員会を開くと、営業自粛の決断を告げた。吉田は即座に「賛成です」と答えた。

コメント0

「崖っぷちからの再生 改革の軌跡(第1部)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人は何か自信を持って誇れるものを持っているはずです。

為末 大 元プロ陸上選手