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「育休切り」はなぜ起こる?
日本の少子化対策にもの申す

「休み=キャリアロス」でない風土づくりを

  • 田澤 由利

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2009年4月27日(月)

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 「育休切り」という言葉をご存じでしょうか? 「派遣切り」という言葉をもじったもので、企業が人件費削減のため、育児休業中の正社員を解雇したり、非正規社員(パートなど)にすることをこう呼んでいます。

 「育児・介護休業法」では、子供が原則1歳になるまで休業できると定め、また育休取得を理由にした解雇を禁じています。しかし、この未曽有の不況下、経営が窮した企業において、育児休業中の社員が復帰できなかったり、パート勤務を命じられたりするケースが顕在化してきているのです。

 厚生労働省は3月、「育児休業に係る不利益取扱いに関する労働者からの相談数」を発表するとともに、企業が不利益な扱いをしないよう各地の労働局に周知徹底しました(「現下の雇用労働情勢を踏まえた妊娠・出産、産前産後休業及び育児休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱い事案への厳正な対応等について」)。

育児休業に関する相談が急増

 厚生労働省の雇用均等・児童家庭局に話を聞いたところ、よく受ける相談内容は「育児休業」と「妊娠・出産等」に分類されますが、景気が悪化した昨年秋からの傾向としては、前者の相談が非常に増えているというのです(労働者からの相談及び指導等の状況)。

 このことから、育児休業制度を取得できる会社であったにもかかわらず、経営状況の問題から、育休中の社員も解雇の対象にせざるを得ない、企業の苦しい状況がうかがえます。

 厚生労働省によれば、2007年度、育児休業制度を利用して休暇を取得した女性は、89.7%。しかしその一方で、第1子出産前に就労していた女性の70%は出産で退職しています。また、出産前後で退職した女性の約30%は、仕事を続けたいとの希望があったものの仕事の継続を諦めています(「平成19年度雇用均等基本調査」結果概要「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書」)。

 国が法律で育児休業制度の普及を推進し、「育休切り」を禁止しているにもかかわらず、日本はいまだに「出産・子育てと仕事を両立しにくい」状況にあり、結果として少子化がなかなか改善されません。

 その原因はどこにあるのでしょうか。子育てしながら働くことの大変さを経験した母として、地方の中小企業の経営者として、両方の視点から、日本の少子化対策の問題点について、意見を述べたいと思います。

「子供を産みたくても産めない」現実

 まず「働きながら母になること」という視点からお話をします。

 2月、ダイバーシティーマネジメントを支援するNPO法人、「J-Win」が発表したアンケートによると、子どものいない既婚の女性社員に、「産まない・産めない理由」を尋ねたところ、20代は「キャリアロス(仕事を離れることによる知識の低下や昇進の遅れ)が不安・仕事優先」(31%)と、仕事上の理由を挙げる人が最も多かったそうです。

 このアンケートはJ-Winに参加する企業の社員を対象にしたもので、女性のキャリアアップや子育てのための制度を積極的に取り入れている企業への調査でさえ、このような結果が出たということは、非常に興味深いと思います。

 働く女性と一口に言っても、仕事に対する考え方や希望は様々です。「キャリアを積んで働き続けたい」と言う女性もいれば、「子供ができたら、適度に働きたい」と言う女性も、「本当は働きたくないけど、経済的な理由からしかたなく働く」と言う女性もいます。

コメント14件コメント/レビュー

日本は人あまりです。人手不足ではありません。不足しているのは、能力が高くて、企業の収益を上げる人員だけで、だれでもできる労働では不足していません。不況の時にワークバランスはできません。企業がそういうのは、単なる賃下げ目的です。「キミもう残業しなくていいよ。そんなに仕事はないから、、、そのかわり賃金を大幅カットするね。」これが企業の狙いです。(2009/05/22)

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日本は人あまりです。人手不足ではありません。不足しているのは、能力が高くて、企業の収益を上げる人員だけで、だれでもできる労働では不足していません。不況の時にワークバランスはできません。企業がそういうのは、単なる賃下げ目的です。「キミもう残業しなくていいよ。そんなに仕事はないから、、、そのかわり賃金を大幅カットするね。」これが企業の狙いです。(2009/05/22)

私は零細企業の経営者ですが、このたび従業員が産休をとることになりました。(接客もある業種です)零細企業なので一人抜けるのは非常にいたいといえばいたいのですが、何とか乗り切るつもりでおり、解雇などは考えておりませんし、可能だと思われます。ここに掲載されていたテレワークについては、テレワークが可能な作業というのは、現在のIT技術を駆使すればかなりあるはずで、テレワークが無理だというのは経営者の怠慢だと思います。私もテレワークが可能な作業を切り分けておりますし、同業でもテレワークを取り入れているところがあります。テレワークでなくても、とりあえず3時間から勤務をはじめてもらう、なども有効ではないかと考えております。それならば接客などでも可能なはずです。また、保育園も、午前のみ預かりなど、短時間勤務に対応してもらえるとありがたいと思います。子供にとっても、社会性を身につける上で、短時間よその空気に触れることは有効であると考えられます。(2009/05/04)

「育児休暇」がどうのこうのと権利を主張する人(男女問わず)が多いですが、実際に自分が消費者の立場で、取引先の担当者が「育児休暇」を取っていた場合、その育児休暇手当を負担(休んでいる間の給料を料金に加算)するのに違和感を持たない消費者はいないと思います。極端な例では、パパママストア(夫婦二人で経営)で、一人が「育児休暇」を取った場合、育児休暇分を価格に上乗せして販売する事が可能でしょうか。おそらくそのような値上げをしたら、店は半年もたないと思います。「育児休暇」を一般的な制度にするには、夫婦のどちらか一人は働いてはいけないというぐらいにしないと、資本主義の市場原理から実現は困難であると思われます。また、私は現在50歳近くなりますが、子供の時に母親が働いており、夏休み等など長期の休みは親戚に預けられたりして、幼少時は大変さびしい思いをして育ちました。当時は「共働き」という家庭は少数であり、それなりの財産も残りましたが、母親は定年退職後まもなく亡くなっており、父親より短命でした。女性が働く事はそれだけ寿命を縮めているのだと思います。現代は、女性が働かねばならないようなしくみになってきており、男性の仕事までも圧迫して雇用が厳しくなってきています。今まで男性だけでやっていた職場に女性が加わるわけですから、単純に考えても労働人口は約2倍になるので明らかに供給過剰です。しかも、家庭に誰もいないわけですから、子供は当然預けられる事になり待機児童という問題も起こっていますが、預けられる子供が一番不幸です。自分が子供の頃に母親が外で働いていた人がいったいどれだけいるのでしょうか。働きたい女性が外で働く事を否定はしませんが、専業主婦をしている女性までも働かせようとするような状況はやり過ぎだと思います。育児や家事も立派な仕事ですので、社会的に保護する(配偶者控除等)のは当然だと思います。家事はともかく、育児は女性の方が向いているのは生理学的に明らかです。(2009/05/01)

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