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球団への就職は「夢のまた夢」

「雇用の保護主義」で米スポーツ界が魅力を失う?

2009年4月30日(木)

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 今年3月、日本に出張した時のこと、電車の中で晴れ着姿の艶やかな女子学生を見かけました。「そうか、今は卒業式シーズンだったんだ」。米国に長く住むと、四季折々の風物詩に彩られた日本の鮮やかな暮らしが、ふと懐かしくなります。そして4月、若者たちが新社会人として巣立っていきました。日本社会に、フレッシュな息吹をもたらしていることでしょう。

 一方、定期の新卒採用がない米国ですが、採用シーズンがないわけではありません。多くの学校は9月に新学期を迎え、翌年5月に終了して卒業式を迎えます。つまり、4月は米国でも、就職活動がヒートアップしてくる時期なのです。また、卒業間近でないとしても、夏休みはインターンシップとして企業に勤める学生が多く、そのための企業回りをすることになります。つまり、米国でも今の時期が、将来の就職に向けて、あわただしく動く時期なのです。

 私のところにも、この季節になると、米国でスポーツ経営学を学ぶ日本人から就職活動やインターンシップに関する相談が多く寄せられます。それもそのはず、留学生にとって、それは「狭き門」だからです。

 「夢の仕事(Dream Job)」。スポーツビジネスはそう呼ばれており、「タダでも働きたい」と言う米国人が、掃いて捨てるほどいます。「外国人」がその競争を勝ち抜くことは、とてつもなく難しいわけです。

「今日読める履歴書を、明日に延ばすな!」と書いたA君

 米国の大学院に在学中、弊社でインターンを経験したA君は、その狭き門に挑戦しました。卒業後、米メジャースポーツの球団でインターンのポジションを獲得すべく、数十チームに履歴書を送り、球団が開催する就職説明会(ジョブフェア)にも足しげく通いつめました。しかし、球団からは、全く声が掛かりません。ある就職説明会では、数百人の学生が殺到。自分の面接の順番になった時には、担当者が疲れ果てていて、ロクに話すら聞いてもらえなかったそうです。

 「これでは埒が明かない」。危機感を募らせたA君は、「猛アタック作戦」を開始します。まずは、担当者の目にとまらなければ、始まりません。そこで、履歴書を送る封筒に、毛筆で宛名を書きました。そして、履歴書を和紙できれいに包装したのです。しかも、こんなコメントを添えて…。

 「“今日できることを、明日に延ばすな”という格言があります。そこで、僕はあなたにこんな格言を贈ります。“今日読める履歴書を、明日に延ばすな!”」

 ついに、球団から面接に声が掛かるようになりました。

 面接でも、A君は担当者の度肝を抜くシカケを用意します。それは、数百ページにも及ぶ近隣の日系企業一覧でした。そして、担当者を前に宣言します。

 「私を採用すれば、リストにある日系企業から数十万ドルの売り上げを御社にもたらすでしょう」

 もちろん、当てなどありません。しかし、星の数ほどいる米国人を出し抜いてインターンの座をつかむには、このくらいの押しの強さが必要です。「タダ働きでも、バリバリ稼ぐぞ」というくらいの意気込みを見せなければ、インターンすらできないのです。

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「鈴木友也の「米国スポーツビジネス最前線」」のバックナンバー

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「球団への就職は「夢のまた夢」」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官