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GDPの大きさ=幸福、の思い込み

  • 神谷秀樹

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2009年5月11日(月)

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 先日、帰国した際、3つの講演会に参加し、そこで様々な人と意見を交わした。高名な経済学者や現在旬のエコノミスト、政治家、官僚、労働組合の代表、企業人、さらに美術や建築などを学ぶ予備校生そして大学生と、経済社会で「今起こっていること」と、「これからどうすべきか」について話し合った。

 講演会に参加するまで筆者は、日本の経済学者や政治家の多くは「財政支出推進論者」と思っていた。

これまで述べてきたように筆者は

(1) 大盤振る舞いする前に、金融や社会の仕組みを直す必要を強調し、
(2) 世界中探しても貸してくれる人がいない時に、中央銀行に引き受けさせても行うような大借金を国はするべきではない、
(3) 使途を十分吟味せず、返済計画もなく、目標さえ持たない支出は愚の骨頂、
(4) 経済の回復に最も必要なのはイノベーション(翻って腐った産業や企業に防腐剤を入れるような資金投入はするべきではない)、

という意見を持っている。

 こうした持論も、派遣切りが社会問題化し、世界を代表するブランドのような企業の収益も軒並み悪化、2008年10~12月期の実質成長率は年率換算で2ケタのマイナスという状況の中では、恐らく少数派で、異端視さえされると思っていた。

2つの選択を投げかけてみた

 しかし、聴衆の反応を見ると、意外とそうでもない。賛同してくださる方もかなりいらっしゃることに勇気づけられた。特に多くの経済学者が決して数字一辺倒ではなく、生活の質に高い関心を持っていることを印象深く受け取った。

 3つの講演会の中で、筆者は聴衆にこれからの国家の目標を次のどちらにするか聞いてみた。

 1つは、「GDP(国内総生産)で中国に抜かれないように必死で働き、世界第2位の経済力を死守する」。

 もう1つは、「自殺者、老人の孤独死、未成年の家出をゼロにする社会を構築する(言い換えると誰にも愛されず、社会の中で無視されているような人々を撲滅する)」。

 2つのうちどちらに国民がついてくるでしょうかという質問を投げかけた。

コメント4件コメント/レビュー

GDPの追求と幸福の追求は矛盾しません。手法が間違っているのです。今の金儲けは、win-loseでもwin-winでも儲ければGDPに算入されます。しかし、前者はお金が動いているだけで、かかった費用は社会的損失として計上されるものなのです。付加価値を生み出しているのは、win-winなのです。win-loseを減らしwin-winを増やすなら、GDPも幸福の追求を両立できます。(2009/05/13)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

GDPの追求と幸福の追求は矛盾しません。手法が間違っているのです。今の金儲けは、win-loseでもwin-winでも儲ければGDPに算入されます。しかし、前者はお金が動いているだけで、かかった費用は社会的損失として計上されるものなのです。付加価値を生み出しているのは、win-winなのです。win-loseを減らしwin-winを増やすなら、GDPも幸福の追求を両立できます。(2009/05/13)

GDPの大きさ<国民総満足の大きさ ということだと思う。このことには強く賛同するとともに,国民の多くも同様に感じているのではないかと想像する。社会とのつながりの大部分を「カネ」に頼る関係にはいささか「疲れた」というのが実感ではないか。より豊かな心のつながり満足・安心感の充実を切に望みたい。これを実現するために行う事業は「実業」だと感じる。経済のボリュームを維持するための事業は「虚業」の臭いがして仕方がない。無駄金でない未来への投資を大胆に考えることは今次の金融政策に求められるものに矛盾しないと考える。(2009/05/11)

非常に共感しました。私も世界の金融がこんな具合になったのを、うまく経済成長市場主義的価値観の転換に結びつけられたらいいと思っています。GDPがいくら大きくなっても、今のようなぎすぎすした日本にはなんの魅力も煌めきも感じません。それよりも、「Always三丁目の夕日」ではないけれど、昭和30年代的な、素朴だし豊かではなかったけど、人間同士がもっと信頼しあえて助け合えて将来に夢を紡ぐことができた時代の方がいい。現在のような歴史の転換点で、また経済成長市場主義を選ぶか、三丁目の夕日的な方向を選ぶかといえば私も断然後者です。(2009/05/11)

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