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会社の履歴書【2】パナソニック

沈むぞ!松下 -ソニーに逆転を許した松下の危機 1

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2009年5月11日(月)

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 バブル崩壊後、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、大きな「変革」を余儀なくされた。金融部門の痛みは、日本企業の成長を支えた間接金融の縮小、株式の持ち合いの解消を迫り、急速に進展したグローバル化は終身雇用、年功序列の終焉をもたらした。その中で問われたのは企業の変革能力である。劇的に変化する外部環境にどう対応し、組織をどう変えていくのか。それに成功した企業もあれば、依然として対応し切れない企業もある。企業が「失われた15年」をどう生きたのか。1991年以降、「日経ビジネス」で取り上げた日本の代表的な企業の記事を「会社の履歴書」として取り上げる。
(文中の肩書き、名称などは掲載当時のままです)

パナソニック(旧松下電器産業)

 米ハリウッドの映画・娯楽会社MCMの買収――。パナソニック(旧松下電器産業)の1990年代は、エレクトロニクスというハードだけの会社からソフトまでを囲い込もうとする大きな路線転換から始まった。創業者の松下幸之助氏の死去以降、脱創業家を進めてきた当時の経営陣にとって、この路線転換は幸之助氏の路線からの決別でもあった。

 だが、その新路線はあえなく潰える。映画会社との企業風土の違いを乗り越えられず、その後のゲーム機開発も失敗。以降のパナソニックはまた、長い低迷の時期を迎えた。

 だが今、パナソニックは息を吹き返した。中村邦夫前社長の改革が奏功し、社内は活性化。中村改革はパナソニックへの社名変更で完結した。新生パナソニック誕生までの軌跡を振り返る。

* * *

2001年5月28日号より

「目の前まで破綻の危機が迫っているにもかかわらず、当事者が状況を理解していない」。松下電器産業が直面する問題は、この国全体を覆う不感症の病と同一だ。2002年3月期は売上高までソニーに追い抜かれる見通しだが、危機感は乏しい。伝説と化した成功体験を捨てることの難しさに加え、底力を発揮できないもどかしさ。改革に進み始めた松下は「変われない」日本の象徴なのか。

=文中敬称略(多田 和市、寺山 正一、三河 正久、川上 慎市郎)

中村改革のすべてを語ろう

 中期経営計画「創生21」で改革路線を鮮明に打ち出した松下電器産業社長、中村邦夫。その危機意識の原点をとつとつと語り始めた。

 これまでが成功しすぎたんでしょうな。成功した人間が社内にまだたくさん残っている。発言力も大きい彼らは今でもまだ成功できると思っている。でも、もう松下に成功した人はいらんのです。常に変わっていく人でないと、ここで生きる資格はもうなしですわ。

 松下の多くの人は(本社のある)大阪の門真市にいるでしょう。ここだと皆に「松下さん」と言われるんですよ。

 国内シェアが5位とか6位の事業部長でも「世界の松下さん」と持ち上げられるもんやから、自分は世界一かと錯覚してしまう(笑)。だから大阪にいてはいかんのです。外できついことを言ってもらわないと、危機感が生まれてこないんです。

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