「イノベーティブな技術 厳選40」

[25]新型インフルエンザに克つマスク

最後の砦でウイルス撃退

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2009年5月14日(木)

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フィルター上には新型インフルエンザウイルスに対して選択的に結合する抗体が無数に敷き詰められている。感染に不可欠なウイルス表面の突起を抗体が覆ってしまうので、ウイルスを“無力化”できる。感染能力がなくなったウイルスが体内に入ってもインフルエンザは発症しない
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 日本臨床内科医会でインフルエンザ研究班特別顧問を務める柏木征三郎氏が発売を心待ちにしているものがある。ベンチャー企業のクロシード(福岡県飯塚市)が早稲田大学大学院先進理工学研究科の並木秀男教授などと共同で開発した「抗体マスク」だ。外見は何の変哲もない使い捨てマスクだが、厚さ1mmにも満たないフィルターの中身に秘密が隠されている。

 「H5N1型」と呼ばれる鳥インフルエンザウイルスが、鳥類の間で流行している。このウイルスが人から人に感染しやすい新型インフルエンザウイルスに変化すると、世界的大流行(パンデミック)が起きると懸念されている。医療機関に患者が押し寄せる事態も十分あり得るが、医師や入院患者への感染を恐れて「診療拒否も選択肢」と公言する医師も少なくない。

 新型インフルエンザはこれまで流行したどのインフルエンザよりも毒性が強い。予防の柱となるワクチンも課題を残す。極論すれば、徒手空拳で医師は患者の列と向き合わなければならない。だからこそ柏木氏は、大きな感染予防効果が見込める抗体マスクに期待を寄せる。ウイルスが蔓延する医療現場で医療従事者の生命を守ってくれると信じているからだ。

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