紀元前7000万〜8000万年頃、地球の空には翼竜の一種、プテラノドンの姿があったという。本当にどれくらい飛べたのかということについては、様々な議論があるようだが、一般的には翼長7メートルを超す(膜のような)大きな羽を使って、長時間滑空することはできたであろうと考えられている。
面白いことに、彼らは鳥の祖先ではないらしい。最近の研究によれば、プテラノドンが存在した時代には地表を這っていた恐竜のうち、羽毛を持つ種類が、後に現在の鳥に進化したとする説が主流となっているようだ。白亜紀の末期、隕石の衝突が契機となって気候が激変。恐竜の大部分は絶滅したとされるが、プテラノドンをはじめとする翼竜は、さらにそれよりも早い時期に絶滅したということだ。
現在の鳥につながる恐竜(の一部)は、なぜこの大変化の時期を乗り切り、さらに進化を遂げたのか。そのほかの恐竜や翼竜は、なぜ同じような道をたどれなかったのか。
恐竜の絶滅の原因については、隕石主因説以外にも諸説あるようだが、「なぜ絶滅したのか」よりも「なぜ生き残れたのか」の方に興味があるのは、私だけだろうか。
ダーウィン以降、進化論そのものが「進化」を遂げる中で、何が進化を引き起こすのかについては、遺伝子レベルでの突然変異説から、「生物という複雑系自体が進化を引き起こす」という自己組織化論まで、様々な理論が覇を競っている。
しかし、「(進化の結果)新しい外部環境に合う特徴を有する種が生き残った」というダーウィンの自然選択説は、現在でも有力な理論として生き続けている。進化の原因にかかわらず、「変化に適応した進化を遂げる」ということが、(たとえ元の種とは、全く異なったものになったとしても)生物の系統として絶滅を避けるカギであることは確かだ、ということなのだろう。
「戦略不要論」は是か非か
さて、閑話休題。プテラノドンではないが、経営戦略は絶滅危惧種のようなものだ、あるいは、経営に戦略は不要だ、という極論がある。
環境変化が激しくなり、じっくり時間をかけて戦略を練り上げても、その戦略を実行する段階では、戦略の前提となっていた市場の状況が刻々と変わってしまう。下手をすると、戦略を作っている間にも、周囲の環境は激変してしまい、出来上がったその瞬間に、的外れな戦略になってしまうことすらある。したがって、戦略を作り、それにとらわれて行動することよりも、戦略など無しで状況に応じて判断を下し、自らの戦い方を修正していく方がより効率的かつ実際的である。すなわち、戦略構築は不要であり、そして当然のことながら、経営戦略論などというものは意味を失い、絶滅寸前にある――こういう考え方だ。
私自身は、こういった戦略不要論には基本的には与しない立場を取っている。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




からのご案内




