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マイナスから出発した組織づくり

メールと電話だけの“会話”がチームを萎えさせていた

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2009年6月1日(月)

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 CFO就任後、ギャラハー社買収準備のために、積み残しになっていた課題がありました。それは、1999年のRJRI社買収以来、海外たばこ事業の本社であるJT International(以下JTI。今、私がいる所です)の財務(Treasury)、税務(Tax)機能と、JT本体の財務、税務とを統合し、JTグループ全体の最適な機能に再構築することでした。

 当時、海外たばこ事業のTreasuryやTaxの機能は、JTIのCFO配下にあり、事業部門内コーポレート機能として設計されていました。これは、海外たばこビジネスへのサポートを最優先するためでした。一方、JTグループ全社のコーポレート機能である財務や税務から見ると、JTIのTreasuryやTaxの機能は、間接的なレポートラインとしての存在になっていたのです。このため、グループ全体としてそれぞれの機能を最適化しようにも、東京とジュネーブとの間での連携がなかなかうまくいかず、絶えずトラブルが生じていました。

 このままでは、大規模買収時に、買収や統合のリード役になるはずの財務機能が、逆に足を引っ張ってしまうのではないか。私は懸念を抱かずにはおれませんでした。この懸念を理解していただくために、ギャラハー社の統合時に、財務、税務が果たした役割に触れておきましょう。

ギャラハー社の統合時に、財務、税務が果たした役割

 ギャラハー社統合時、財務部は、大きく4つの事に取り組みました。1つは、日本でのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)と新たな貸し付け枠を活用し、期中に必要となる資金の喫水を下げ、買収時のブリッジローン返済に充てられる手元資金を最大化すること。第2に、税務と協働しJT/JTIの手元資金を、同じく返済に充当できるようグループ企業内で資金移動させること。第3は、このブリッジローンを、可及的速やかに、より条件の良い円、ユーロ等の長期借入資金に変えていくことです。

 さらに、ギャラハー社が、社債発行により負っていた、情報開示義務やビジネスの重要な変更への制限などから解放されるために、その社債をJTの保証の下、社債発行主体を変更することも重要課題でした。なぜなら、これらを負ったままでは、ビジネス構造の変更に着手できず、統合作業に大きく支障を来すからです。

 税務について言えば、最終的な親会社が英国法人から日本法人に代わっただけで、新たに税務面でのリスクが発生します。これを各国の税法、会社法、そして各国間の租税条約を勘案し、JTグループとして税務リスクを限定していく必要がありました。

 一方、各国マーケットでの旧JTIと旧ギャラハー社の現地法人を統合する際、無用の税務リスクにさらされないよう、各国の現地法人それぞれの統合に合わせて、ビジネスと税務が二人三脚で検討を行う必要がありました。また、その統合が、各現地法人に対する親会社が存在する国、そして最終的には英国、日本での税務に与えるリスクを評価し、ここでも新たなリスクが発生しないように対処したのです。この買収前、JTとギャラハー社は、共に世界各国で事業を展開していたため、事業統合する国の数だけ、この検討と対処が必要でした。

 以上から、財務、税務面での国内外での密な連携が、いかに事業統合にとって重要であったかを理解いただけたのではないかと思います。

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