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CFOのミッションとは何か?

背景にあった「元気を出してほしい」という思い

  • 新貝 康司

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2009年5月25日(月)

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 2004年4月、社長に呼び出しを受け、6月末以降JTグループのCFOとして、財務機能全体を率いるよう言い渡されました。門外漢である私がCFOになることに、躊躇や不安が無かったと言えば嘘になります。しかし、共に財務部門の変革に協力してくれた経理部長や財務部長の存在、そして、何よりも財務企画部の優れた次長たちといった仲間に恵まれたことが、その不安を一掃してくれました。一方、引き続き、全社BD (Business Development)ヘッドとしての仕事も兼務することになり、ギャラハー社買収検討を同時に進めたのです。

 この内示を受け最初に思い立ったことは、「CFOのミッションをつくろう」ということでした。その理由は、財務機能に集う仲間をリードするため、そして、言うまでもなく自分自身を律するためでした。

 それまでの3年間の財務企画部での仕事を通じて、財務機能としてのミッションを明らかにする必要を感じていました。しかし、それを、財務機能に集う仲間に対して、こうしなさい、ああしなさいといった、上からの目線ではなく、自らがCFOとして行動する際の、ミッションとして宣言したかったのです。ではなぜ、財務機能としてミッションを明示したいと思ったのかをお話ししましょう。

なぜCFOのミッションが必要だったのか

 まず、みんなに元気を出してほしかったのです。人は自分の仕事に意義を求める存在です。しかし、日々の仕事に没頭するあまり、自らの仕事の意義や目的を見失うことが往々にしてあります。「何のためにこの仕事をやっているんだろう、毎晩毎晩残業で大変だ」。こうなると元気が出ません。使命を明らかにすることで、会社や財務機能といった大きな絵姿の中で、自分の仕事がどう位置づけられて、何の役に立っているのか、それを理解し、感じ取ってほしい。そう思っていました。

 また、自分の仕事を単に墨守することをやめてほしかったのです。個々の仕事は、ほとんどの場合、何か上位の目的を達成する手段に過ぎません。しかし、仕事に意義を追い求めるがため、逆に、自分の仕事を見る目を曇らせ、それがあたかも目的であるかのように錯覚させるのです。さらに、変化を嫌う人間の性(さが)が、それを助長します。大きな組織で、大もとの仕事の目的が分かりにくくなればなるほど、このリスクがあります。

 そうなると、その仕事を墨守するばかりで、仕事の必要性をゼロベースから見直すことはもとより、より良い方法を仲間と協働して考えるということも難しくなります。ひどい場合には、仕事を後進に教えることすら躊躇させるのです。以前、似非(えせ)「職人」と私が表現した、「自らの技を他人に伝承しないことを自分のステイタスとして利用し、一見、職人気質に見える仕事の仕方」に陥るのです。

 ビジネス環境や競争状況は常に激しく変化します。事業はその中で、生き残りをかけて戦っているのです。こういった状況で、己の仕事をただ闇雲に墨守することや、似非「職人」が跋扈することを、会社として許す余裕はありません。

 一方で、上位の目的を使命という形で共有することで、個々人が、その仕事のプロセスや成果物の改善に向け、考える端緒を提供できるのではないかと考えたのです。さらには、一人で解決できない問題を、同じ目的を共有する仲間と協働して解決しようとする風土作りの第一歩にしたいとの思いもありました。

 さて、製造現場を出発点とし、米国でのマネジメントも経験した私は、日本企業と米国企業の強み弱みを見てきました。それぞれの強みをハイブリッドにし、強い組織とは、一言で言うと次のようになるのではないかと考えていました。

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