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会社の履歴書【2】パナソニック

パナソニックの野望 「暮らし独占」、世界を変える 5

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2009年5月28日(木)

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 バブル崩壊後、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、大きな「変革」を余儀なくされた。金融部門の痛みは、日本企業の成長を支えた間接金融の縮小、株式の持ち合いの解消を迫り、急速に進展したグローバル化は終身雇用、年功序列の終焉をもたらした。その中で問われたのは企業の変革能力である。劇的に変化する外部環境にどう対応し、組織をどう変えていくのか。それに成功した企業もあれば、依然として対応し切れない企業もある。企業が「失われた15年」をどう生きたのか。1991年以降、「日経ビジネス」で取り上げた日本の代表的な企業の記事を「会社の履歴書」として取り上げる。
(文中の肩書き、名称などは掲載当時のままです)

パナソニック(旧松下電器産業)

 米ハリウッドの映画・娯楽会社MCMの買収――。パナソニック(旧松下電器産業)の1990年代は、エレクトロニクスというハードだけの会社からソフトまでを囲い込もうとする大きな路線転換から始まった。創業者の松下幸之助氏の死去以降、脱創業家を進めてきた当時の経営陣にとって、この路線転換は幸之助氏の路線からの決別でもあった。

 だが、その新路線はあえなく潰える。映画会社との企業風土の違いを乗り越えられず、その後のゲーム機開発も失敗。以降のパナソニックはまた、長い低迷の時期を迎えた。

 だが今、パナソニックは息を吹き返した。中村邦夫前社長の改革が奏功し、社内は活性化。中村改革はパナソニックへの社名変更で完結した。新生パナソニック誕生までの軌跡を振り返る。

* * *

2008年9月15日号より

10月1日、松下電器産業が消える。系列販売店の屋号からは、「ナショナル」の文字がなくなる。
電球や冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど家庭のあらゆる製品が「パナソニック」ブランドに切り替わる。しかし、松下の意識は、国内よりも、ブランド統一が終わったはずの海外に向いている。

=文中敬称略(戸田 顕司、鷺森 弘、小笠原 啓)

世界の「立派な会社」に

デジタル家電と白物を中核に、「暮らしの独占」という野望を秘める松下。
足元の業績は申し分ないが、社会は松下に数字だけを求めていない。
新生パナソニックが掲げるべきビジョンについて、大坪社長に聞いた。

 10年後、20年後の我々の生活全体がどうなるのか。そこまで大きな話題になると、私にはビジョンは描けません。ただ、一人ひとりの生活シーンを考えれば、恐らくこうなるのだろう、という予想はできます。

 先進国では多くの家庭が高齢者を抱えるようになり、福祉や介護という問題を抱えることになるでしょう。そして、猛烈な省エネも要求されます。こうした状況は何年か後に、必ず新興国にも波及します。

 こうした環境変化を想定して、松下電器産業が何を商品化でき、事業化できるのか。研究開発部門を中心に、健康やネットなど10のテーマを選び、将来を描く基本的な技術の開発を進めています。その中から今年、ロボット関連事業を私の直轄プロジェクトにしました。10年以上かかると思いますが、一刻も早く事業化したい。

 松下の強みは、消費者の生活に一番近い事業を担当していることだと思います。人々の生活をアシストし、少し楽にしていく。ロボットはその一例です。こういうコンセプトは大きく間違っていませんし、10年先でも十分通用する考え方だと思います。

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