混迷深まる世界経済。企業の生命線である研究開発への投資もこれまで通りとはいかない。世界各地で企業の研究所が閉鎖されるなど、厳しい状況が伝えられる。限られた資源を効率的に活用し、激化する開発競争に勝たなければいけない。そこで注目されるのが自社以外の外部に向けて、広く技術や素材を募集する「オープン・イノベーション(開かれた技術革新)」という概念だ。
従来、次世代技術や商品に直結する研究・開発に関しては、その情報が外に漏れないよう、多くの企業が自社の研究施設や関連企業など“内部”で行ってきた。
しかし、その「自前主義」が限界に近づいている。バイオテクノロジーやナノテクノロジーといった基礎材料技術や省エネ技術の高度化を伴う分野で、その動きは特に著しい。
電機なら電機、自動車なら自動車と、従来は自社の専門分野を中心に研究を行ってきた。だが、自動車が電子部品の集合体となっているように、自社の専門領域を超えた研究開発が求められるようになってきた。世界を相手にした開発競争のスピードは早まり、一方で環境負荷の低減も意識しなければならない。
業界を横断した研究開発が強いられる中、1社が投資できる資金や人材には限りがあり、カバーしきれない。そこで特定分野の専門知識を持つ企業や大学に対して、自社が欲する技術を広く公開するように求める動きが出てきた。それがオープン・イノベーションである。
写真:都築雅人
世界に先駆けて導入した企業の1つが米ゼネラル・エレクトリック(GE)だ。同社が特に注目するのが、日本の中小企業が持つ高い技術力。日立製作所などの大手企業とは技術提携を結んできたGEだが、日本の中小企業とは直接の接点がこれまであまりなかった。
GEグローバル・リサーチ・ジャパンのジュリアナ・シェイ日本代表は「かつての『系列』という壁が崩れた今、日本の中小企業が持つ高い技術を世界が求めている」と語る。
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