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[39]魚の「借り腹養殖」

サバにマグロを産ませる

2009年6月3日(水)

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 クロマグロは俗に「本マグロ」と呼ばれ、食卓でも馴染みの深い魚だ。だが、乱獲が進んで個体数が減少。漁獲量を規制する動きも強まっている。

 1996年に約8万トンあった世界のクロマグロ漁獲量は、2006年に約5万トンまで落ち込んだ。例えば、マグロ漁を管理する大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)は2010年、東大西洋域の漁獲量を2006年比約20%削減するという方針を出した。

 養殖のクロマグロも漁獲量規制と無縁でいられない。多くの養殖所では、天然の稚魚を捕獲し、生け簀で成長させるからだ。ICCATも、東大西洋で30kg未満のクロマグロを漁獲することを禁じた。

 クロマグロの稚魚を人工的に増やす方法はないか。そこで今、注目を集めているのが「借り腹養殖」である。その名の通り、マグロ以外の魚にクロマグロの精子と卵子を産ませる技術で、例えば、個体数の多いサバが候補になる。

 東京海洋大学の吉崎悟朗准教授は、川魚であるニジマスの精子と卵子をヤマメに作らせる実験に成功した。この原理はサバやマグロにも十分応用できると期待されている。

学生の好奇心が「大発見」に

 まず、ニジマスの白子(精巣)から「精原幹細胞」を取り出す。精原幹細胞とは分裂後、精子に変わる細胞で、自ら増殖する能力もある。この精原幹細胞を孵化したばかりのヤマメの腹部に注入すると、精原幹細胞はヤマメの「生殖腺」と呼ばれる臓器に入り込み、オスなら精子、メスなら卵子になる。ヤマメが成魚になったら、これらを取り出して人工授精させる。生まれるのはヤマメではなく、ニジマスになる。

画像のクリックで拡大表示

 この方法をクロマグロに応用できれば、精子や卵子に比べて採取や保管が容易な白子だけを入手すればよい。吉崎准教授が極めてシンプルな方法を確立できたのは、2つの点で画期的な発想ができたからである。

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