「勝ち残るためのダイバーシティー・マーケティング」

進化するモバイルマーケティングへのチャレンジ(前編)

日本コカ・コーラ 江端浩人氏に聞く

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2009年6月11日(木)

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 この連載では「ダイバーシティー・マーケティング」をコンセプトに、様々な企業の取り組みを伺い、今後、市場やマーケティング戦略にどのような変化が起こっていくかを考えていきたいと思っております。

日本コカ・コーラ インターラクティブマーケティング統括部長の江端浩人氏
(写真:雨宮秀也 以下同)

 今回は、日本コカ・コーラインターラクティブマーケティング統括部長の江端浩人さんに、同社が捉えている消費者の変化、マーケティング戦略の変化、特に携帯電話(以下、ケータイ)などのデジタルメディアを活用したマーケティングの積極的な取り組みについて伺っていきたいと思います。そして、それらが実際のビジネスにどんなインパクトを与えたのか。さらに、これから求められるマーケターの資質についてなども、前編・後編にわたってご紹介します。

 まず、江端さんはここ数年の消費者の変化をどのように捉えていらっしゃいますか。

江端浩人氏(以下、江端) 一番大きな変化は、インターネットやケータイなどのデジタルメディアの視聴が増えていることですね。それに伴い、1960年代から続けてきたテレビを中心としたマーケティングモデルが、若者に到達しなくなってきている傾向があります。これは日本だけでなく、世界的な潮流だと感じています。

 特に日本は、ケータイを中心とした若者の文化が進んでいます。2006年10月にはケータイの番号ポータビリティが導入され、電話番号を変えることなくキャリア(契約会社)変更が可能になったことで、キャリアに依存しないサービスが台頭してきています。このモバイルメディアに取り組まなければ、もはや消費者とコミュニケーションできない領域に来ていると言っても過言ではないでしょう。

 テレビとの接触率が下がってきたというのは、欧米から始まった動きなのでしょうか。

江端 そうですね。コカ・コーラ全体としては、世界で様々な施策に取り組んでいます。その中でも先進的だったのはスペイン、米国、韓国のマーケットで、そこでうまくいったものを日本でも必要に応じて活用している状況です。

アクセンチュア経営コンサルティング本部 戦略グループシニア・マネージャーの秦純子氏

 テレビコマーシャル(CM)をそれまでの半分に減らして、店頭販促やモバイルに力を入れたと言われる“花王ショック”など、ここ数年、大手企業がマーケティングモデルをテレビCMからデジタルメディアにシフトしてきていますね。この動きは今後、加速していくのでしょうか。それとも、テレビとほかのチャネルを組み合わせた新しい形が生まれてくるのでしょうか。

江端 将来的には、テレビとそのほかのチャネルが融合するモデルが出てくると思います。ですが、今のところはモバイルメディアへのシフトが進んでいますね。1つはコストなどの効率性の問題。もう1つは、どう融合させていくか、現時点ではうまく見えていないということがあります。

 ただ、我々としてはテレビがなくなるとは思っていませんし、どちらかというと、テレビを見ながらパソコンやケータイも見るというような、マルチなプラットフォームでのコミュニケーションが増えてくると考えています。

 日本の消費者がデジタルメディアに移行していくという動きではいかがですか?

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著者プロフィール

秦 純子(はた・じゅんこ)

秦 純子アクセンチュア経営コンサルティング本部 戦略グループシニア・マネジャー 。1974年6月大阪府生まれ。97年早稲田大学法学部卒業後、アクセンチュア入社。自動車、製薬、食品、飲料、総合商社、小売り、高級ブランドなどの製造業、流通業のクライアントに対する、顧客視点の事業戦略、新規事業戦略、マーケティング戦略を中心としたコンサルティングサービスに従事している。主な共著に『crmマーケティング戦略』(東洋経済新報社)。主な連載に「変化する顧客とバーチャルチャネル再構築」(日経情報ストラテジー)。アクセンチュアの「Women’s Initiatives」のメンバーとして女性向けのキャリアセミナーなどでの講演多数。



このコラムについて

勝ち残るためのダイバーシティー・マーケティング

「1億総中流社会」と呼ばれた時代から、企業を取り巻くマーケットは急速に多様化してきている。所得、世代、性別といったこれまでの切り口をさらに深化・進化させなければ、もはや市場を捉えることは難しい。この連載では、マーケットの多様化に対する挑戦(ダイバーシティー・マーケティング)に取り組む先進的な企業の事例を紹介しながら、多様化時代に勝ち残るためのマーケティング戦略を考えていく。

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