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不況下で拡大する太陽電池市場 日本企業の巻き返しが始まる

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2009年6月10日(水)

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太陽電池市場が新しい局面に入る。日本市場が急拡大する一方、海外市場は一時的に縮小する。投資戦略に乗り遅れた日本の太陽電池メーカーが地盤沈下する一方、装置や部材では、着実に存在感を高めている。

(文/金子憲治=日経エコロジー

積水化学工業の「セキスイハイム」

 太陽電池搭載の新築住宅でトップを走る積水化学工業。2008年における太陽電池搭載率は52%だったが、今年4月末からのキャンペーン期間中、搭載率は実に80%まで達した。

 インターネット上で複数の太陽電池施工会社に見積もりを依頼できるサイト「太陽光発電システム見積工場」。見積もり依頼は現在、月約600件に達し、そのうち3分の1が成約に至る。昨年、依頼が落ち込んだ時期に比べれば8倍の成約数という。

 横浜市で京セラ製太陽電池パネルの販売・施工を手がける横浜環境デザインの池田真樹社長は、「現在、販売で月20件以上、工事だけの仕事も入れれば月50件になる。これは昨年の10倍近い件数で、施工業者はみなフル稼働の状態」と漏らす。

 国内の太陽電池市場が活況を呈している。国や自治体による設置費用の補助制度が始まったことに加え、来年度から太陽光発電の高額買い取り制度も始まる。経済性が高まることで、環境意識の高い人だけの限定的な市場から、一般消費者向けに一気に普及期に入る可能性もある。

 国内販売は従来、太陽電池専門の訪問販売会社が担ってきた。そこに続々と異業種が参入し始めた。太陽電池卸大手、山善の松田慎二・戦略企画室長は「中堅工務店やリフォーム店のほか、LPG(液化石油ガス)販売会社の参入意欲が高い」と言う。

 国内の流通業界にとって、太陽電池は久々に登場した高額新商品。新旧勢力が入り乱れて販売・設置の担い手を巡り混戦が続きそうだ。

2009年における太陽電池の導入量は、前年に比べほぼ横ばいだが、販売単価の下落で、市場規模は縮小するとの見方が大勢。ただ、2010年以降は導入量も市場も伸びる

 一方、世界市場を見ると、スペインが昨年、太陽光発電の推進策を変更したことで需要が急減。一転して太陽電池がだぶつき始め、値崩れが激しい。加えて、米ファーストソーラーが1W当たり約1ドル(95円)で製造できると表明し、これが太陽電池価格の目安になりつつある。日本メーカーの太陽電池の国内向け卸値は1kW当たり30万円前後で、まだファーストソーラーの2倍以上。逆に言えば世界市場で戦うには現在の半値以下のコスト力が必要になる。

 野村総合研究所の浜本賢一上級コンサルタントは、「日本の太陽電池メーカーの多くは、思い切った量産投資で低価格化する戦略が描けない。このままでは、かつてトップを走っていたにもかかわらず、いまや韓国や台湾の後塵を拝する半導体や液晶テレビのてつを踏むことになる」と危惧する。

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