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会社の履歴書【3】東芝

「強い東芝」への胎動 3

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2009年6月10日(水)

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 バブル崩壊後、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、大きな「変革」を余儀なくされた。金融部門の痛みは、日本企業の成長を支えた間接金融の縮小、株式の持ち合いの解消を迫り、急速に進展したグローバル化は終身雇用、年功序列の終焉をもたらした。その中で問われたのは企業の変革能力である。劇的に変化する外部環境にどう対応し、組織をどう変えていくのか。それに成功した企業もあれば、依然として対応し切れない企業もある。企業が「失われた15年」をどう生きたのか。1991年以降、「日経ビジネス」で取り上げた日本の代表的な企業の記事を「会社の履歴書」として取り上げる。
(文中の肩書き、名称などは掲載当時のままです)

東芝

 日立製作所と並ぶ日本の総合電機の雄、東芝。同社のここ20年は、事業の「選択と集中」に注力した歴史だった。その最終章を飾ったのが2006年に発表された原子力発電大手の米ウェスティングハウスの買収。54億ドルの巨費を投じたこの買収は東芝にとって、次の20年で収益を確保する戦略的投資。CO2削減が世界的に喫緊の課題となる中で、原子力発電需要が大幅に高まるとにらんでのものだった。ただし2009年3月期には、半導体事業の大幅赤字で、自己資本比率が8%台まで低下、5000億円規模の増資に追い込まれた。新たな「選択と集中」戦略が注目される。

* * *

1991年12月16日号より

東芝がぬるま湯的だった風土に気概を吹き込もうとしている。抜てきやエリート養成を通じて「甘えの構造」を変えようとしている。家族的社風にどれだけ「強さ」を加味できるかが問われる。

甘えの構造からの脱却
エリート選抜養成で“気概”吹き込む
問われる「個人尊重主義」との融和

 情報処理・制御システム事業本部長の水嶋常務に「今回のパソコン事業の落ち込みで上からは叱られましたか」とたずねると、水嶋常務は意外にも「いえ、今後どうするかを考えろとは指示されましたが、特に怒られたということはありません」と答えた。中間決算の最大の誤算であるパソコン事業の責任者としてはさぞかし厳しい叱責を受けたものと勝手に想像しての質問だったのだが、見事にかわされた。

 これが他社の場合ならどうか。事業環境の悪化だけでなく、需要の読み違いで会社に損害を与えたとなれば、叱責は言うに及ばず、かなり厳しい処置も考えられる。恐らく、松下電器産業や日立製作所の役員なら相当つらい思いをしただろう。

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