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【第7話】なぜ職場のコミュニケーションはうまくいかないのか?

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2009年6月9日(火)

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話につき合ってくれない上司、話の分からない上司

 本コラムにお寄せいただくご意見やお悩みの中で、際立って目立つのがコミュニケーションに関するものです。例えば、「【第5話】ダメ上司との上手なつき合い方」にお寄せいただいたJさんのコメントをご紹介しましょう。部下というお立場の方にとっては「その通り!」と共感する点が多いのではないでしょうか。

 (Jさんのコメント)

 駆け出しの管理職でまだ部下はいませんが、いずれはリーダーになりたいと思っています。最近特に、上司との距離を感じています。上司は部門長で、私以外の部下は全員が部長あるいは課長職。多忙で自席にいることは少なく、連絡等はほとんどメールベースです[a]。私の仕事は自由度があり自分なりに考えて進めていますが、行き詰まりを感じた時すぐに相談できないのが悩み[b]です。先日、数少ない直接対話の時間に思い切った提案をしてみましたが、明確な回答が得られず[c]悶々としています。上司をはじめ職場の先輩管理職の方々とどうコミュニケーションを図っていくか、記事を参考にしながら考えています。

 「すべてのビジネスの80%以上の失敗はコミュニケーションの不備に起因する」という表現があります。その半面、「優れたリーダーは優れたコミュニケーターである」とも言います。つまり、良きにつけ悪しきにつけ、企業の運命の大半は、コミュニケーションの質によって決まってしまうということです。

 「会社の品質を高めるためにはコミュニケーションの質を高めなければならない、というお説はごもっとも。能書きとしては納得する。では、コミュニケーションの質を高めるためには、具体的に何を考え、何をやったらよいのか?」。そのような疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

 実際、先にご紹介したJさんのように「そもそも上司が忙しくて、つかまらない」という状況では、コミュニケーションを図ろうにも手の打ちようがないように感じてしまうかもしれません。

 その一方で、多くの上司にとってもコミュニケーションは大きな悩みの種です。「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)がなっていない!」「リポート内容が分かりづらい」「忙しい出張から戻ってみたら、部下が起こしたトラブルが深刻化していた」…。およそ上司と呼ばれる立場の方なら、これと似たような経験を少なからずお持ちのことでしょう。

 そこで今回のコラムでは、職場で役に立つ「コミュニケーションの質を高めるための10カ条」についてお話ししていきたいと思います。一つひとつ、「我が社はどうかな? 自分はどうかな?」とあなた自身のケースに置き換えながら自己評価をしてみてください。

第1条 コミュニケーションの第一歩は“聴くこと”

 上司の皆さんに、ここで1つ質問です。

 今から5分後に、大切な社内会議が始まろうとしています。

 あなたが資料を揃えて席を立ちかけたところに、部下の1人がやってきてこう言いました。「お忙しいところすみません、ちょっと急ぎで相談に乗ってほしいんですが」。

 こちらの都合をよそに話し始めた部下。どうやら簡単に済む話ではなさそうですが、会議が始まる時間は刻々と迫っています。こんな時、あなたなら部下にどう対応しますか?

 1. 会議に遅れるのを覚悟で、部下の話が終わるまでじっと話を聴く。

 2. 「要するに、おまえの言いたいことはこうだな」と部下の要点をまとめ、手短に結論を出す。

 3.「今は時間がないから後にしてくれ」と言って席を立つ。

 4. その他

 その時々の状況により答えはまちまちでしょうが、少なくとも部下にとって、上司に取られたら悲しいと思う対応のされ方は2番と3番でしょう。

 1分1秒も惜しいという場面では、つい2番のように「要するに…」と言いたくなってしまいます。ごく稀にこうした態度を取るという程度ならまだしも、毎回これをやっていると「オレの話を最後まで聞いてくれ!」と部下のストレスが募っていきます。同様の理由で、「時間がないから後で」という第3の受け答えも部下にとっては不満が残ります。

 この2つの対応に共通している点は何か? そう、「上司は自分の話をちゃんと聴いてくれている」という実感が得られない、ということです。

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著者プロフィール

新 将命(あたらし・まさみ)

新 将命国際ビジネスブレイン代表取締役社長
1936年東京生まれ。早稲田大学卒。シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フイリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で社長職を3社、副社長職を1社経験。2003年から住友商事などのアドバイザリー・ボードメンバーを務める。長年の経験と実績をベースに、国内外で「リーダー人財開発」の使命に取り組んでいる。
希薄な虚論や空論とは異なり、実際に役に立つ“実論”の提唱を眼目とした、独特の経営論・リーダーシップ論には定評がある。ユーモアあふれる独特の語り口は、経営幹部層や次世代リーダーの間で絶大な人気を誇る。近著『経営の教科書』(ダイヤモンド社)、『リーダーの教科書』(ランダムハウス講談社刊)は、現役経営者、若手リーダーの必読書となっている。



このコラムについて

リーダーのための“新”武士道 伝説の外資トップがあなたのメンターになる!

 当コラムでは、あなた自身が「できる・できた」リーダーになるために、さまざまな鍛錬を積んでいただきたいと思います。リーダーシップスキルを少しずつ磨いていくことで、「ウチの部下はどうして育たないのか」という冒頭の悩みに対する解決策も、おのずと見えてくることでしょう。
 部下の数が増えれば増えるほど、リーダーとしてのあなたの責任は重くなり、その分悩みも深くなります。ところが困ったことに、悩み多きあなたに有効なアドバイスをしてくれるメンターの数は、悩みの深さと反比例するように減ってしまうものです。
 私の願いは、ひとり孤独に悩みを抱えているあなたの声を聴き、双肩の重荷を少しでも軽くするお手伝いをすること。そして、あなたがより優れたリーダーとして活躍する姿を早くこの目で見ることです。ではさっそく次回から、リーダーシップについて一緒に考えていくことにしましょう。

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