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太陽電池の部材や装置で日本は負けられない

世界シェア上位に立つ旭硝子、リンテック

2009年6月10日(水)

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 シャープや京セラなど日本の太陽電池パネルメーカーの世界シェアが急速に低下している。2004年には日本メーカーが世界シェアの50%超を占めていたが、2008年にはそれが4分の1以下まで落ち込んだ。しかし、今の太陽電池市場は混迷期にある。100年に1度とも言われる経済危機の最中にあり、太陽電池に関する補助政策の変わり目でもある。

 太陽電池市場が再び成長軌道に乗った際に、日本勢は輝きを取り戻せるのか。その命運を握るのは、既存の大手パネルメーカーだけではない。次の主役の座を狙って、様々なタイプの太陽電池メーカーが登場している。さらに、太陽電池パネルを構成する部材や装置分野にこそ、日本の強みを発揮できる隠れた主役たちがいるのだ。

 このコラムでは、日経ビジネス誌2009年6月8日号特集「決戦前夜 太陽電池」の連動企画として、太陽電池産業の隠れた主役となった企業を数回にわたって紹介していく。

旭硝子、欧米アジアの3拠点でカバーガラスを量産

 ガラス最大手の旭硝子が、太陽電池事業を強化している。

 CTO(最高技術責任者)である加藤勝久取締役は、「結晶シリコン型用のカバーガラスで世界トップシェアを占めている」と言う。太陽電池の表面のカバーガラス(次ページの図参照)は、太陽電池を保護したり、反射を防いだりするためのものだ。建築用に使う型板ガラスを太陽電池向けに改良している。

 技術の差別化となるポイントは、光の透過率だ。ガラスでの光の透過率が高まれば、太陽電池自体がたくさんの光を受けることができ、結果として発電量が増える。同社は型板ガラスに特殊なコーティングを施すことで、型板ガラスの光透過率を2.5%高めた。

 こうした改良によって、同社製ガラスへの需要が増えているという。既に欧米アジアの3拠点でカバーガラスを量産している。生産能力が最も大きいのは米国テネシー州の工場で、日米欧に輸出している。需要の高まりを受けて、2009年中には中国蘇州市でも生産を始める予定だ。

 同社の太陽電池事業への参入は早かった。日本の太陽電池パネルメーカーが研究開発を続けていたこともあり、旭硝子も30年前にカバーガラスの研究開発を始めていた。さらに、1995年頃には米国の型板ガラスメーカーを買収。当時、太陽電池市場は小さかったが、同社もカバーガラスを生産していた。旭硝子は技術的にユニークだったことから、黒字化しなくても同事業を残していたという。2005年頃に太陽電池市場が急拡大すると、長年温めていたカバーガラスへの需要が急増。旭硝子は市場で存在感を高めていった。

部門横断の「太陽電池戦略会議」を発足

 旭硝子の太陽電池事業の売上高は2008年12月期で220億円。2010年12月期にはこれを600億円に高める予定だ。そのために、同社は組織体制の見直しを進めている。2009年4月に石村和彦社長をトップに据えた「太陽電池戦略会議」を発足。技術や営業部門など部門横断で同会議を構成している。

 狙いは主に2つある。1つは、様々な部門が仕入れる情報を共有化するためだ。もう1つは、部門間の相乗効果を発揮するためでもある。同社にはソーラー事業本部があるが、技術開発の種は各部門に散らばっている。加藤取締役は言う。「素材に機能を付けることが重要だ。例えば、ガラス技術とコーティング技術を掛け合わすことで、新しい価値を生み出せる」

 同社がこれから強化していくのが薄膜型太陽電池用のガラスだ。この分野では、ライバルの日本板硝子が世界シェア70%を握っている。いくつかの技術特許を持つため、旭硝子は別の方式で開発を続けている。研究開発を強化するために、同社の研究所には太陽電池用ガラスに関して数十人の研究員がいるという。

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「太陽電池の部材や装置で日本は負けられない」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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