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米国型経営では太陽電池ビジネスは育たなかった

三洋電機元社長が語る「日本の太陽電池産業」

2009年6月18日(木)

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 太陽電池事業は時間をかけて成長してきました。まさに日本型経営の強みを生かしてきた典型的な分野です。

 これまで、米国型経営か日本型経営のどちらが良いかという議論が長年なされてきました。どちらにも長所短所があります。米国型は短期的に資本回収を優先する経営なのに対して、日本型は長期的に人を大事にする経営です。米国型の合理性からも学ぶところは多いのですが、日本人が米国型になりきることはできないので、やはり日本型経営を大事にするべきではないでしょうか。

“適度な”集中と選択が新製品開発を支える

 太陽電池事業についてお話しする前に、この20年の技術トレンドを振り返ってみます。1989年にベルリンの壁が崩壊してからイデオロギーの対立が少なくなり、技術開発のスピードが一気に速くなりました。それから20年間に生まれた画期的な新製品を10個挙げると8つは日本製と言えます。米国発のものは「パソコン」。欧州発のものは「携帯電話」です。

桑野幸徳・太陽光発電技術研究組合理事長、2000年から2005年まで三洋電機社長

 「カーナビゲーション」や「青色発光ダイオード」「ゲーム機」「デジタルカメラ」「DVD」「液晶テレビ」「2次電池とハイブリッド車」などは日本が製品化してきたものです。例えば、2次電池は19世紀に欧州で開発され、第2次世界大戦中に潜水艦に使われた。ただ、民生用電池として開発したのは三洋電機で、1963年にラジオ用として実用化しました。この10製品の中に「太陽電池」も含まれます。

 “過度の”集中と選択をやらずに、捨てなかったことが画期的な製品を生み出す原動力となったのです。新製品の開発には、“適度な”集中と選択が必要なんです。

 選択と集中をするためには、経営者やリーダーの目利きも大事。将来有望な技術なのかどうかを見極めなければなりません。米国の経営者は3~4年の期間でそれを判断しますが、日本の経営者は5~10年、場合によっては20年のスパンで考えるものです。

 例えば、私が三洋電機の研究開発本部長の時に、太陽電池は30~40年後に人類の不可欠のエネルギー源になると考えました。ただ、それまでに赤字を垂れ流しては、会社がつぶれてしまう。そこで、5~10年の中間目標を立てました。その第1弾として80年に電卓用の太陽電池を商品化しました。

 第2弾が住宅用の太陽電池で、92年に私の家の屋根に太陽電池を設置しました。日本で初めて太陽電池で発電した電気を系統に流して売電できる逆潮流を実現したのです。電卓での商品化がなければ、太陽電池事業は続かなかったかもしれません。それに対して、米国のオイルメジャーは初めから電力用を狙っていたため、採算が合わずに撤退してしまった。

 日本の場合、産官学の交流が非常にうまくいったことも見逃せません。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)や産業技術総合研究所の強力な後押しや大学との協力があったからこそ、研究開発を続けることができたのです。

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「米国型経営では太陽電池ビジネスは育たなかった」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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