(前回から読む・注意書きもご覧ください)
――女性の時代、と言われ続けている割には、女性の感性を売り物にした企画で、ヒットするものは少ないような気がします。それはどうしてなのでしょうか。
清野 その辺は企業側に、大きな勘違いがあるんです。昔、家電メーカーなんかが、女性だけの開発チーム、なんてものを組んで話題づくりに走ったことがありましたが、そうやって出した商品でヒットしたものって、まずなかった。

(株)マチュアライフ研究所 代表取締役社長
ビジネス書作家/ビジネスセミナー主宰
1994年立教大学経済学部経済学科卒業。都市銀行、専業主婦、百貨店販売、証券会社などを経て起業。企業向けの人材教育、販売コンサルティングの受託のほか、『女のたしなみ経済塾』『女のたしなみリーダー塾』などの経済・ビジネスセミナーを主宰。主な著書に『あなたを変える稼ぎ力養成講座 決算書読みこなし編
「渋井真帆の公式サイト 〜仕事も経済も楽しくなる! 自分の成長が嬉しくなる!!〜」
渋井 第1回で「女子センサー」の話をしましたが、それはつまり、女性は消費者として優秀だ、ということに「過ぎない」んです。だけど、消費者の視点とビジネスの視点は真逆ですよね。消費者はお金を払うだけの人、ビジネスはお金を払ってもらう人。
ですから、ビジネス視点を持っている女性で、かつ消費活動をたくさん楽しむような人材だったら、企業にとってその人は財産になります。でも、消費者の視点でしか消費活動ができない人にビジネスはできないですよ。
逆に、今、企業社会の真ん中にいる男性だったら、ビジネスの視点は鍛えられているはずだから、あとはもう少し消費活動というのを楽しむようになればいいんです。男でも女でも、消費者視点50%、ビジネス視点50%のハイブリッド型の人が、これからのソフト化社会では成果を出せるんじゃないでしょうか。
清野 それは、経営者にもハイブリッド型が求められる、ということですよね。
渋井 もちろんそうです。
清野 私の中には、あ、こういう経営者は、これからはもうだめだぞ、という3大だめキーワード、というものがあるんです。
――また不穏な。
消費者の目線だけなら、それは「道楽」
渋井 何ですか、それは。
清野 1が「女将の経営」、2が「兄貴の経営」、3が「ダチの経営」で、今、渋井さんがお話しされた、消費者視点しかない経営者というは、まさしく女将の経営をする人です。
渋井 消費者の視点だけでビジネスをすることをビジネスとはいいません。それは道楽というんです。
清野 高級旅館などの名物女将のインタビュー記事などを読むと、「採算性はあまり追求しません、そうでなければ文化は継承できませんから」みたいなことをよく見かけるのですが、本当かね、と思います。関わっていることが経営である以上、採算は常に考えねばならないことです。
だめ女将の経営に顕著なのは、判断基準が採算性ではなく、「好き嫌い」であるということ。そのモチベーションは情実で、相手に情けをかけたいときは手厚くするけれども、それがちょっとでもずれたりすると、すぐさま相手が嫌いになり、関心が次のことに行ってしまう。ビジネスの軸は常に定まらず、好き嫌いでボーナスや扱いに差を付けたりするから、会社も従業員も育たないという。
女将は「女」の「将」と書きますが、これ、女性だけに限らないです。好き嫌いがビジネスの原理になっている“男将”も、いっぱいいます。
渋井 確かに、女性だけの話とは限りませんね。では、兄貴の経営とはどんなものなんですか?
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